「金正恩」死亡説で注目 妹「金与正」体制でどうなる拉致問題

国際 週刊新潮 2020年5月7・14日号掲載

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夫はボディガード

 龍谷大学の李相哲教授が言う。

「彼女は金正日総書記の末娘で、正恩とともにスイスの公立学校で学んでいます。非常に聡明で金正日も“与正が男の子だったら、間違いなく跡を継がせる”と話したという逸話もあるほど。既婚とされており、情報を総合すると要人警護のボディガードと結婚したというのが有力です」

 米朝会談にも同行していたことから見ても、兄からの信頼は厚い。すでに党の組織指導部の第1副部長の要職にあることも見逃してはならない。ここは北朝鮮の中枢中の中枢とも言うべき組織で、軍、内閣、司法、党など北朝鮮のすべてを監視するのが役目だ。

「彼女は昨年の12月から国内外の政治に対して口出しをするようになりました。北朝鮮国内で配布された『尊敬する金与正同志指示文』からは、彼女が内政に関わることが窺い知れ、“尊敬する”という敬称が使われている。これは金正恩以外に使うことが許されない肩書です」(同)

 もっとも、北朝鮮には金委員長の息子の他、叔父の金平一氏もいることから、後継者選びは簡単ではない。

「可能性としては金与正を中心とした集団指導体制が現実的です」

 とは「コリア・レポート」編集長の辺真一氏。だが、それが日本にとって良いこととは限らない。拉致問題もしかりだ。

「小泉訪朝以来、帰国者以外の拉致被害者を死亡とする北朝鮮の結論に変化はありません。両国の見解は水と油で、その差は金与正が権力を握っても簡単には縮まらないでしょう」

 誰が北のトップになっても圧力を弱めてはいけない。

ワイド特集「コロナの陰に『オンナの事件』」より

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