アベノマスク完敗 中国発「マーノマスク」仕掛人で二階氏“マブダチ”が旭日中綬章

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行きわたらないアベノマスクを尻目に

 不良品が目立ち、ナゾの会社が受注したりとブラックボックス化し、あげく手元に届かないと悪評だらけのアベノマスク。払底していたマスクの市中在庫が戻りつつある中、そもそも不要不急だったのではと皮肉られる始末。他方、アリババ創業者のジャック・マーが、日本から防護服などを送ってもらった返礼として、マスクを日本に送ったのはすでに報じられた通り。一連の美談の仕掛人は自民党の二階幹事長とも“マブダチ”で、この春の叙勲でちゃっかり勲章もゲットしたという。

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 アベノマスクの体たらくぶりに、習近平国家主席や中国当局は笑いが止まらないのかもしれない。

 後にアベノマスクと俗称される布マスク2枚配布を安倍首相が発表したのは、4月1日。

 その一方で、アリババグループの創業者で習近平とも近いジャック・マー前会長が、「日本医療国際化機構」を通じて日本にマスク100万枚を寄贈したのは、3月3日のことだった。

 マー前会長の名前にあやかり、通称「マーノマスク」と呼ばれたこの100万枚はその後、マスク不足から使い回しを強いられていた医療現場やタクシーなど運輸関連業界に配られていった。アベノマスクが行きわたらないのとは大違いだ。

 この日本医療国際化機構は名誉理事長に自民党の二階俊博幹事長(81)、そして理事長には蒋暁松氏(68)が就いている。日中関係の事情通によると、

「蒋さんは二階さんとはマブダチ。日中関係者の間では政商とも呼ばれていて、知らない人はいませんよ。『マーノマスク』を配るにあたっても力を発揮したと言われています」

 そもそも、ジャック・マー氏からのマスク寄付は、日本から中国側へ防護服などを送ってもらった返礼としてだった。

「新型コロナウイルスの感染拡大で中国がにっちもさっちも行かないときに、当局の意を受けたマー前会長は蒋さんや二階幹事長に相談。二階幹事長は小池さん(百合子東京都知事)にアプローチして、防護服を中国へ送ることになったと聞いています」

 二階幹事長からの要請で10万、北京市からの依頼で20万着……と、都備蓄の防護服の中から33万着超が海を渡ることになった。

 この鮮やかなマスク美談外交を演出した蒋氏の横顔を紹介しておくと、

「蒋さんは上海生まれ。映画監督と大物女優を両親に持ち、日本に留学して映像技術を学び、帰国して自らもテレビドラマや映画の監督になりました。ビジネスの世界に転じたのは1990年代に入ってから。海南島のボアオに建設したリゾート施設が有名です。彼の母親は毛沢東や周恩来と、そして彼自身は江沢民と親交を結んできた。上海を中心とした経済エリートとしてのし上がったんです」(先の関係者)

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