コロナで急逝「岡江久美子さん」 選択肢を奪った厚労省の“壁”

エンタメ 週刊新潮 2020年5月7・14日号掲載

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「富川アナ」「石田純一」との違いは何か 「沈黙の肺炎」に自宅療養なら「血中酸素濃度」測定を徹底すべし! 悲惨極まる無言の帰宅… 恐怖心で「最後の別れ」もさせない葬儀社・火葬場の無情

 人生の岐路に直面した時、誰しもが“正しい”選択をしたいと思う。コロナ患者も、早くに入院できるか、重症化への異変を察知できるか、アビガンが投与されるか、分かれ道は幾重にもある。では、急逝した岡江久美子の場合はどうか。その選択肢を「厚労省」が奪っていたとしたら……。

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 それは悲惨極まるシーンだった。4月23日に新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった岡江久美子の遺体が火葬された後、葬儀社により遺骨が自宅に届けられた。まるで宅配便の配達のような光景だ。すると、憔悴しきった夫の大和田獏が引き取りに現れる。

「久美子はいま帰ってまいりました」――。

 愛する人が突如、手に抱えられるほどの大きさとなり、最後の別れもできずじまい。その光景に日本中が涙したに違いない。

 享年63。事務所などによると、発熱したのは4月3日のこと。医師から4、5日様子を見るように言われ、自宅で療養していた。6日、容体が悪化し、都内の大学病院へ。すぐに人工呼吸器をつけるほどの重症で、そのまま帰らぬ人となった。

 取材した芸能記者は、

「事務所は乳がんの手術を受けたことが遠因になったと、認めています。岡江さんは初期の乳がんで昨年末に手術、1月から2月にかけて放射線治療を行っていたので、免疫力が落ちていたというのです」

 最近ではテレ朝の富川アナや石田純一が感染。初期とはいえ、がんが2人との大きな違いだが、

「2人は症状が出て早くに入院できています。富川アナの場合、会社からの案内もあったでしょうし、石田さんは自身のコネクションで順天堂大学病院に入院させてもらえた。しかし、岡江さんは発熱してからPCR検査を受けず、自宅待機を余儀なくされました」(同)

 最初に診察した医師は、受診の目安である“37・5度以上の熱が4日以上”という厚労省の当初の指針に従ったのだろうが、政府はケースによって“4日を待たず”と4月22日に軌道修正している。自宅で亡くなる感染者も続出する中、指針の誤りをこれらの事実が物語ってはいまいか。

 さらに、石田は入院当初からアビガンを投与され、症状が改善したといわれる一方、岡江の場合は投与されたのか公になっていない。

 所属事務所に聞くと、

「治療は病院にお任せしているので、(アビガン投与は)把握していません」

 さる感染症専門医は、

「アビガンは軽症者に投与すると効果があるとされています。岡江さんは入院した段階で症状が一気に進んだために投与しなかった可能性は考えられます」

 遅れる入院とアビガン投与。厚労省の“壁”がなければ、と思わずにはいられない。

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