コロナ禍「あつ森」ブームの陰でGOできないけれど…今がベストな「ポケモンGO」

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ポリシーは「人を外に連れ出す」

 爆発的にヒットし、街をプレイヤーであふれさせた「ポケモンGO」。新型コロナウイルス拡大防止のための外出自粛が強く求められているいま、ポケモンGOはどうなっているのか。

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 スマホ向けゲームアプリ「ポケモンGO」が日本でリリースされたのは2016年7月22日、海外での人気ぶりはすでに報道されていたが、日本でもすぐに大流行。ターミナル駅前や公園に人が群れ集う様子がニュースで頻繁に取り上げられ、社会現象にもなったことは記憶に新しい。

 ポケモンGOは、ゲームのフィールドが現実の地理空間とリンクした位置情報ゲームである。現実世界の情報については、株式会社ポケモンと共同で同作を手掛けるナイアンティック社のスマホゲーム「Ingress」のシステムを流用している。その土台の上に、世界的に有名なコンテンツ「ポケットモンスター」をうまく据え付けた。それまでゲームになじみの薄かった層まで取り込んで幅広い人気を博したのは、この組み合わせの妙によるところが大きい。

 ナイアンティックのCEOであるジョン・ハンケ氏は、Ingress開発の時点から一貫して、「人を外に連れ出す」、「新しいコミュニケーションの可能性を探る」ことを目標に掲げており、ポケモンGOの広報においても、同様のポリシーが頻繁に打ち出されていた。

 このゲームによって生まれた風景は、たしかにこれまで目にしたことのないものだった。適度な運動が健康の増進につながるといった研究が現れる一方で、ながら運転や私有地への侵入が問題になったりもした。いずれも、リアルな世界とリンクしているからこそ起こる現象だ。

 ゲームの運営サイドは、マイナス面を減少させるためのアップデート(一定以上のスピードで移動しているときはプレイできない等)を実装する一方で、本来のウリをより十全に発揮するための改良(地域限定のゲーム内イベントを開催する等)を施しながら、ポケモンGOを進化させ続けてきた。「人を外に連れ出す」というポリシーの実現を目指して。

 ところが、「外出を控えるべし」という現下の社会情勢は、そのポリシー自体を真っ向から否定する。完全な逆風である。

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