“火つけてこい”で大炎上の過去 コロナ禍で男を上げた明石市長の100万円

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犯罪被害者支援で

 暴言を鵜呑みにした抗議電話が市役所に殺到し、市政に悪影響を出さないためには辞職しかないと思ったほどのどん底だったが、出直し選では70%以上の得票率で当選。子ども医療費無料、第2子以降の保育料無料などの施策で、人口増、出生数増、税収増というバラ色の市政運営となっている。

 特に子供へのまなざしはあたたかで、例えば、0歳児と保護者を見守るべく、紙おむつや粉ミルクを無料配達する「おむつセット定期便」がスタート予定だ。保護者が選んだ赤ちゃん用品を生後3カ月から満1歳の誕生月までの計10回、自宅に届ける。家計支援、子育て経験のある配達員と市が連携して保護者の悩みを緩和、児童虐待の防止と様々な効果が期待されている。

 そんな泉市長の功績の中でひときわ光るものが、犯罪被害者支援だ。市長就任以降、明石市では、殺人事件などの加害者が被害者側へ賠償金を支払わない場合に、上限300万円を市が立て替える制度などを設けた条例が施行・改正されてきた。

 神戸児童殺傷事件で次男の淳くんを亡くした土師守さんは、改正案の作成に携わった一人。土師さんは当時、「全国に制度を広げて欲しい賠償判決が出ても、実際に加害者側から支払われる例はごく僅か。生活を立て直す糧となる制度です」と会見で話していた。

 それから7年の月日が流れ、未曾有の危機にも泉市長の決断にはブレがない。

 先の会見でも、また違った意味でアツく思いの丈を語っていた。

〈少し個人的な思いも入りますが、かねてから自分としては困っている人の具体的な力になりたい、そういった思いで子ども時代から過ごしてまいりました。そういった思いの中で弁護士になり、活動などもしておりました。そういった思いの延長線上で市長になり、今仕事をしているつもりです。今まさに目の前に、明石市内に困っている方が数多くおられます。こういった時にこそ、困っている市民に対して具体的にしっかり手を差し伸べることをしていきたい、そういった思いを込めたつもりです〉

「そういった思い」が4度も出てくるほどだから、気持ちがこもっているということのようだ。

週刊新潮WEB取材班

2020年4月24日掲載

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