“火つけてこい”で大炎上の過去 コロナ禍で男を上げた明石市長の100万円

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早ければ24日にも

 かつては部下である市職員への“火つけてこい”発言で集中砲火を浴び、辞職に追い込まれ、それでも出直し選で復活を遂げた泉房穂・明石市長。弁護士、社会福祉士の経験がものをいったか、このコロナ禍での対応が高い評価を受けている。

 具体的な中身は、個人事業者に無利子・無担保で上限100万円を融資し、シングルマザー・シングルファーザーなどの「ひとり親家庭」に対し、児童扶養手当に加えて5万円の上乗せ、生活困窮者にさらに10万円(4、5月で最大20万円)を貸し付ける……といったもの。

 個人事業者の業種については内容を問われず、バーなども含まれる。店が自己所有の場合は除外し、テナント料の名目で支払われるのがポイントだ。中でも特筆すべきはそのスピード感。市長が会見で述べたのはざっくりと以下の通りである。

〈(4月)24日の金曜日には100万円がお手元に届くように〉
〈もちろん国や県の応援をいただきたいわけであります。ただ待っていられない状況だと思っておりますので、国や県の支援があるまでのまさにその間持ちこたえていく〉

〈まさにスピード感のある緊急支援という形を〉
〈特に悲鳴が聞こえているところです。そこはやはり個人商店のテナント料です(中略)一人親家庭も同様で〉

 明石市の漁師の家に生まれた泉氏は地元から東大教育学部に進学し、NHKに入局。退職後は故・石井紘基代議士の秘書を経て司法試験に合格。2003年に旧民主党の候補として衆院選に兵庫県第2区から出馬して当選し、代議士を1期務めた後、11年に明石市長に立候補し当選。2期目を務めていた19年1月、落とし穴にハマる。“火つけてこい”発言が音声データとして報じられたのだった。

 発言があったのは2017年6月のこと。渋滞や事故の多い国道2号線の拡幅工事に長らく取り組んできたが、肝心の交差点部分の用地買収が進まず、市長は担当職員を呼び出して叱責したというのが、問題の音声データだった。

 立ち退きさせろ、火をつけてでも!と詰め寄るさまはパワハラを遥かに通り越し、ナントカも顔負け。しかし実際には、叱責した職員との間のシコリはすでに解消されており、また、音声データの後半部分には、市長の市政へのアツい思いが語られていたのだった。

〈(担当者)2人が行って難しければ、私(泉市長)が行きますけど。私が行って土下座でもしますわ。しんどい仕事やから尊い、相手がややこしいから美しいんですよ。市民の安全のためやないか。そのためにしんどい仕事するんや、役所は〉

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