【コロナ禍】海外の刑務所は「3つの密」で修羅場……日本の刑務所は?法務省に聞いた

国内 社会 2020年04月07日

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「密閉空間」「密集場所」「密接場面」。刑務所は、新型コロナ対策で厚生労働省などが注意を促す、「3つの密」が全て当てはまる場所である。現に中国では、2月25日の時点で、湖北、山東、浙江省の刑務所で受刑者を中心に計555人の感染者を出した。タイやコロンビアの刑務所では、感染の噂が広がったせいで暴動が起き、イランは感染拡大を恐れて受刑者7万人を釈放した。一方、日本の刑務所はどうなっているのか。

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 新型コロナウイルスの発生地である中国・湖北省の武漢市では、刑務所でも集団感染が起きた。中国当局の発表によると、2月29日に武漢市内で新たに発覚した感染者は565人。そのうち223人が受刑者だったという。この時点で受刑者の感染者総数は806人に上った。中国の刑務所は、密集した空間で強制労働を強いられる。感染しても治療を受けられないという。山東省や浙江省の刑務所では、最初の感染者は刑務官だった。刑務官が外部で感染者と接触し、刑務所にウイルスを持ち込んだ可能性が指摘されている。

 感染者4万1495人、死者2757人(3月31日現在)が出たイランでは、刑務所内でも感染が拡大しているという。3月9日、司法府のライシ長官が刑務所内の集団感染を防ぐため、これまでに約7万人の受刑者を一時釈放したことを明かした。釈放された受刑者は、禁錮5年以下で、政治犯や外国籍、二重国籍の受刑者は対象外という。イランの刑務所は、栄養不良、衛生管理が欠落していると指摘され、“病気の温床”と言われていた。

 感染者が世界最多のアメリカ(4月3日現在)でも、一部の受刑者を釈放するという。米連邦刑務局によると、3月29日時点で連邦管轄の刑務所に収監されている受刑者19人と刑務所職員19人の感染が確認された。死者は1人で、麻薬所持で禁錮27年の判決を受けた49歳の男性受刑者だった。感染経路が明らかになってなく、感染爆発する危険があるため、暴力性が低く、すでにかなりの刑期を務めている受刑者を自宅拘禁する方針だ。また、州レベルの刑務所では、ニュージャージー州が軽微な罪で服役中の受刑者約1000人の釈放を決定した。

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