ヒョンギさんが“韓国式”飲み会でのしきたりを伝授 美味しいNIPPON

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 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第34回は、ヒョンギさん。今回は「i(アイ)デポ家」に伺いました!!

 所変われば品変わる、というように、酒席のマナーにもお国柄が出るもの。ワイドショーなどでおなじみ、韓国出身コメディアンのヒョンギさんが、“韓国式飲み会でのしきたりを伝授せん”と連れて行ってくれたのは、日本一のコリアンタウン、東京・新大久保の「iデポ家」である。店内にいくつもあるマッコリ用のやかんを見渡しながら、ヒョンギさん曰く、

「デポというのは、マッコリを入れる大きな器のこと。それに家(チプ)をつけると、大衆居酒屋という意味になるんです」

 であれば、さっそく乾杯を。

「日本人と違って、韓国人は2軒目でビールを飲むことが多いですよ。なんといっても1杯目はまず眞露やチャミスルといった焼酎ですね」

 そういって眞露の瓶を猛烈にシェイク。よく混ぜてから飲むのがスタンダードだそう。グラスに注いで、グイッ。

「カーッ。韓国では一気飲みが定番。しないと怒られることもあるんですよ」

 とマッチョな流儀を披露する。そこへ運ばれてきたのは、キムチ鍋。しかも、こんがり焼かれた巨大な豚バラ肉・サムギョプサルが2枚も入って大迫力だ。一口サイズに切って、パクッ。

「ん~、やわらかい! 厚みもちょうどいい!」

 ご満悦の表情を浮かべながら、焼酎を呷る。と、お隣の鉄板では次の料理が。ジュージューと音を立てて、その匂いの香ばしいこと。サムギョプサルである。仕上げにごま油をたっぷりふりかければ、ヒョンギさんの目尻も下がるというもの。サンチュにのせ、唐辛子やにんにくなどの調味料を付けてかぶりつくと、そのおいしさに思わず拍手。やかんから注いだマッコリを飲みながら、講釈は続く。

「飲みさしのコップにはお酒をつがないで、つぐのはカラになってからですね。上下関係が厳しいので、目上の人からは顔をそらして、杯が見えないようにして飲むのが作法なんです。その代わり、お金を払うのも絶対目上の人ですよ」

“目上の人”、聞いていますか?

週刊新潮 2020年4月2日号掲載

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