「コンドロイチン」では改善しない! 整形外科医も驚愕 「ひざ」「腰」の痛みを根治する「骨格矯正」

ドクター新潮 健康 整体

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三つの運動で仙腸関節を矯正

 仙腸関節は、左右にも上下にも開くのが特徴で、どの方向にどう開くかで、どこにどういう症状が出るか違ってきます。腸骨が後ろに倒れたり、腸骨の高さが左右それぞれ違ってしまったり、骨盤のねじれが起きたりし、それが人それぞれの症状につながります。

 たとえば、仙腸関節が開いて腸骨が前に傾くと、脚の付け根である股関節の位置がズレ、脚は内側を向きます。つまり内股になります。一方、腸骨が後ろに傾けばガニ股になります。これらはともにひざがねじれた状態なので、結果、ひざ痛が起きてしまいます。

 私のもとを訪れる方々はほぼ全員が、腰のほか首や肩にも悩みを抱え、年齢が高くなるにつれ、そこにひざの悩みが加わります。スポーツ経験者の間にも、ひざへの悩みを抱えている人が多いです。

 しかし、もとはといえば仙腸関節のゆがみが原因なので、そこを矯正すれば多くの症状が劇的に改善します。しかも、毎日自分で三つの運動をすることで、仙腸関節のズレやゆがみはかなり解消できるのです。

 それでは、最初に仙腸関節ストレッチを始めましょう。これは仙腸関節を動かしやすくするための運動で、仙腸関節の周囲の筋肉や筋膜をゆるめます。

 A.あおむけになってひざを立てます。次に足を組んで、上に組んだ足の方向に、右足が上にあるなら右側に倒していきます。このとき、上に重なっている足のひざに力を入れます。そして倒した状態で20秒ほど我慢します。これを左右それぞれについて行います。

 慣れてきたら、ひざを立てる角度をゆるめてもいいでしょう。ハードになる分、効果は高まります。この運動によって、仙腸関節がゆるむだけでなく、実は、すでに矯正にもなっています。では、仙腸関節の矯正をさらに進めましょう。

 B.今度はあおむけのまま、片足を曲げずにまっすぐ上げます。次に、その足を内側に倒し込みます。簡単には倒れないので、手で押さえて足をさらに倒します。腰を思い切りひねるイメージです。これも左右それぞれ行い、注意点は、背中を浮かせないことです。

 この運動によって、腰のつまりが解消し、仙腸関節の開きも改善されます。

 次に、骨を反らす運動です。多くの人は骨盤が後ろに傾いているので、それを適切な角度に修正するのが目的です。人の背骨はS字型にカーブを描いているのが理想ですが、仙腸関節が開くと、骨盤が不安定になって後ろに倒れます。その結果、S字カーブは崩れて上半身が前に傾き、猫背になるのです。

 また、仙腸関節が開くと、骨盤の内側への巻き込みが生じます。そうなると大腿骨が前倒しにねじれ、ひざがダメージを受けます。ですから、この運動で巻き込みも矯正します。

 C.うつ伏せになって、腕立て伏せをする姿勢をとります。その体勢のまま脚を開き、上体を反らします。その際、下半身は恥骨をしっかりつけたままにするイメージです。

 続いて、上体はそのままの姿勢を維持し、骨盤だけをひねります。これも左右それぞれに行います。

 仙腸関節の矯正に関しては、以上の動作だけで一定の効果が得られます。これを毎日、できれば体がこわばっている朝と晩に行ってください。

 椅子スクワットも紹介しておきます。お尻の筋肉を鍛える運動ですが、仙腸関節の矯正に直結しています。お尻と太もも、ひざ下の筋肉は、仙腸関節を留めているバンドに相当し、それらがゆるむと仙腸関節は開きます。ですから、これらの筋肉を鍛えて仙腸関節を引き締め、動きにくくする必要があるのです。

 D.椅子に少し浅めに座ります。その際、かかとを引き、手は前に突き出します。そこから、ゆっくりと立ち上がり、また座ります。手を前に出すのは、こうするとひざへの負荷が小さくなり、ひざにダメージが加わらないから。これは1日に5回でも10回でも、可能なら50回でもやってみてください。やっただけ効果が得られます。

 E.タオルなどを丸めてひざではさみ、正座をするようにひざを深く曲げる運動も効果的です。ひざのつまりが解消されます。

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