「クールジャパン機構」のクールじゃないセクハラ訴訟

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「with CIO」

 一方、「くじ」の登場は翌16年7月で、主役はこちらも東大法学部卒の大橋宏氏(62)=仮名=。みずほ銀行出身で、クールジャパン機構の専務取締役兼最高投資責任者(CIO)だった。女性が続ける。

「六本木のカラオケ『パセラ』で懇親会があって、女性アシスタントの参加者は4人。大橋CIOは、4人それぞれに向けて選んだというイメージソングを2曲ずつ歌い、“今日はくじを用意しました”と言って封筒を取り出し、引かされました。当たり、ハズレ、フムムの3種類があるとのことで、私が2枚引くと、『映画with CIO』『宇宙と芸術展with CIO』と書いてあった。ほかは『当たり!!ワインディナーwith 監査役』『ハズレ!!罰ゲーム 監査役に手作りプレゼント』『ジブリの大博覧会with CIO』『ものまねエンターテインメントハウスwith CIO』とかだったのです」

 漏れなくついてきた濃厚な景品は、女性たちが拒んで実現はしなかったが、この女性、たまらず機構のホットラインに相談し、らちが明かないと労働組合を結成。結果、派遣も雇い止めになったというからひどい話だが、驚くべきは大橋氏らの「発信力」である。

 当事者はどう受け止めているのか。クールジャパン機構は「今後の動向を見守りたい」とか。一方、大崎氏は、自宅を何度訪れても、家人が「出かけている」と言うのみであった。

 くじにさり気なく英語を添えたところが、クールジャパンらしさの主張か知らないが、海外から、これぞ日本文化だ、と誤解されたら一大事である。

週刊新潮 2020年3月26日号掲載

ワイド特集「『ペスト』に学べ」より

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