えげつない質問に賛否両論の「東出会見」 元レポーターの“意外な解釈”とは……

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高齢者は同情?

 それでは芸能人や視聴者ではなく、“同業”の関係者は平野レポーターの質問をどのように受け止めたのだろうか。元レポーターが匿名を条件に取材に応じてくれたが、開口一番、「私にはあんな質問はできません」と脱帽する。

「狭い業界ですから、平野さんのことも昔から存じ上げています。素顔は本当に優しい方で、ベテランならではの安定感があります。あんな厳しい質問をするタイプではないと思っていたので、余計に驚きました。ただ会見では、彼女に限らず、全員が厳しいトーンの質問だったのも印象的でした。率直に言えば、私たちが会見に出席していた頃とは、ずいぶん変わったことを痛感させられました」

 元レポーターの現役時代も、厳しい質問が飛び出すことは珍しくなかった。だが、全員が同じトーンで追求するということはなかったという。

「亡くなられた梨元勝さん(1944~2010)や、須藤甚一郎さん(81)が厳しい質問をされることが多かったと思います。私は度胸がないので、お二人が聞きにくいことを質問してくれると、『ラッキー』と内心、喜んでいましたね(笑)。私たちの番組カメラも撮影していますから、堂々と梨元さんや須藤さんの質問も放送できる。だから安心して、私自身はちょっと柔らかな質問をしたりと、みんなで緩急をつけながら相手の本音を引き出そうとしていました」

 今のリポーターのやり方に問題がある、と言うつもりはないという。元レポーターは「東出さんの口が非常に堅かったことも、厳しい追及の一因になったと思います」と分析する。

「昔は会見の主催者や事務所の方々が、かなり強引に質疑応答を打ち切ることが多かったですね。今、同じことを行うと、ネット上で批判が高まってしまいます。謝罪会見を開いた意味がなくなってしまいます。東出さんサイドもそのことを考慮して、会見の時間を長めにしたのでしょう。そのため余計にリポーターから鋭い質問が続いてしまい、一部の視聴者は不快に感じたのではないでしょうか」

 東出も炎上したが、芸能レポーター側も炎上した。このことから元レポーターは、「東出さんにとって、かえって良かった可能性があります」と指摘する。

「ネットでさえ『あの質問はひどい』という声が出たのですから、高齢者の多い“お茶の間”では、より東出さんに同情的だと思います。特にテレビでは、可愛い孫のような東出さんが、ベテランの芸能レポーターに糾弾されているような絵になっていました。時間が経過すればするほど、『東出さんは、かわいそうだよ。もう許してあげようよ』という意見が、じわじわ増えるかもしれません」

“12・4秒の沈黙”で全てを失ったように見える東出だが、「捨てる視聴者あれば、拾う視聴者あり」の可能性があるというのだ。

 会見で東出は今後について問われ、以下のように答えた。

「今後、仕事のことは申し上げられませんが、ただ1つ1つ、今後あるのであれば、その1つ1つが、最後なのではないかという気概を持って……」

 本音かどうかは分からないが、反省をしているようにも見える――。

週刊新潮WEB取材班

2020年3月25日掲載

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