【新型コロナ】政府も専門家も公然と「マスク不要論」を流布させるフランスの事情 

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コロナを通して見えた国民性

 日本のニュースを見たり様子を聞いたりしながらフランスで生活していると、両国の違いが浮き彫りになってきます。

 フランス人は最初の大統領演説は気にせず、政策にも従わない印象でしたが、一度強制力を伴う指示が出れば外出制限、学校の休校や飲食店の休業などにも文句を言うことはありません。現実を受け止め、野党も反対することなく協力的です。

 一見、個人主義と思われがちなフランス人ですが、このような緊急事態では政府主導で物事が進んでいる印象です。

 それに比べ、従順なイメージを持たれている日本人は、クルーズ船の問題に始まり、唐突な一斉休校、検査の数に対する厳しい声など、政府の対応への批判も目立ち、フランスのようにコロナ対策を強制的に進めるのが難しいようにみえます。

 じつは、日本の方が人権意識が高く、個人主義なのかもしれないと感じました。

 そして、何より、コロナウイルスの早い終息を願いつつ、これを機にフランス人にもマスクを着用するという習慣が根付いてくれれば、と思っています。

ヴェイサードゆうこ
翻訳家・ジャーナリスト。青山学院大学国際政治経済学部卒。ITベンチャーから転身し、女性向けweb媒体のライター、飲食専門誌の編集記者として執筆。2016年よりフランスに移住し、現在はYouTubeで現地情報を発信中(http://bit.ly/2uQlngQ)。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年3月24日掲載

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