新型コロナの感染ルート 汗・尿・便からもうつるのか

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 コロナウイルスは基本的に飛沫感染と接触感染で伝播する。つまり咳やくしゃみ、あるいはそれらを押さえた手を介して感染が広がるわけである。さる7日には、横浜市の感染者が発症後にスポーツジムで約1400人と濃厚接触していたと報じられたが、ジムで飛び散る汗は危なくないのだろうか。

「汗による感染は理論上、あり得ません」

 とは、国際医療福祉大学の和田耕治教授(公衆衛生学)。

「通常、ウイルスが汗腺から出ることはないのです。これはHIVやインフルエンザでも同じことです」

 だからスポーツジムでは、

「汗ではなく、運動器具を共有するなどし、あるいは中高年の方にとっては社交場のようになっていて、長い時間話し込んでしまう。そのほうが危険だと思います。またお風呂も、ただ入るだけでは感染しません。大量の湯につかった場合、ウイルスが希釈されるのです。もっとも脱衣場や休憩室などで歓談すれば、リスクとなります」

 というのだ。ちなみにトイレのリスクは、

「尿は問題ありませんが、便については下痢をしている時など、いわゆる糞口感染でウイルスが出るリスクがあります。お尻を拭いた時、知らぬ間に便が手に付着してしまい、それがさまざまな場所を介して別の人の手に付き、さらに口や鼻にたどり着くルートは、感染症ではままある。それを防ぐには手洗いを入念にし、下痢の時には家庭でトイレを使い分けるなどの工夫も必要です」

週刊新潮 2020年3月19日号掲載

特集「『コロナ禍』に今なお7つの疑問」より

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