「数学五輪」予選合格者で唯一の小学生 本人が語る“3歳で素因数分解”

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天賦の才

 洋翔くん曰く、数学に興味が湧いたのは2歳の時。

「『ゲオマグ』や『ピタゴラス』といった立体パズルを、親が買ってくれたんです」

 立体を作るうちに数学にはまり、気づいたら問題集を解いていたという。3歳時には、素因数分解が暗算で解けるようになった。

「有明の『リスーピア』に行き、『素数ホッケー』というゲームを知ったんです。家でもiPadでやって、素因数の仕組みを学びました」

 専門的な数学の勉強や研究を教わったのは、

「小1のとき、書泉グランデで開かれている飯高先生の講座が最初です。そこでは完全数について勉強したのですが、小1での参加は珍しいと目を掛けてもらったんです。当時は書泉グランデや朝日カルチャーセンターなどに週1回通って教わりました。それ以来、指導していただいています」

 飯高先生、とは学習院大の飯高茂名誉教授。代数幾何学の世界的権威である。その“師匠”に聞くと、

「彼には数学の本質をパッと見抜く天賦の才がある。数オリでトップを目指すのも生き方の一つではありますが、人の作った問題を解くだけでなく、もっと自由に数学の真理を探究し、開拓して羽ばたいてほしい」

 洋翔くん自身は、

「数学者になって、数学のノーベル賞といわれる『フィールズ賞』を取りたいです。自分の研究で新しい定理を作ったり、数学界でいまだ解明されていない問題を解く手がかりを見つけられたらいいなと思います」

 少年は、すでに立派な大志を抱いていた。今春から都内の有名中学校へと進む。

週刊新潮 2020年3月12日号掲載

ワイド特集「我勝てり」より

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