センバツ中止は「同調圧力」と猪瀬直樹氏が指摘 戦前からの悪しき風潮が今も……

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 3月11日、日本高野連は19日から開幕予定だった甲子園の選抜高校野球大会を新型コロナ拡大の影響で中止すると発表した。それに対して、異を唱えたのは元東京都知事で作家の猪瀬直樹氏(73)である。同じ日、Twitterで「単なる同調圧力でいちばんたちが悪い」と批判したのだ。

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 猪瀬氏は、Twitterでこうつぶやいている。

〈屋外の無観客試合なのだから、やればいいじゃないか。こういうロジックがない決定は、単なる同調圧力であって、いちばんたちが悪い。ことの是非を知性で測定するのではなく、“非国民”的な空気で覆うことになる。〉

 1924(大正13)年に始まった選抜高校野球は、太平洋戦争で1942(昭和17)年から46(昭和21)年まで中断した時を除き、これまで中止になったことはない。1995(平成7)年の阪神・淡路大震災直後にも開催され、“復興の希望”と言われたこともあった。収束しない新型コロナが拡大する中、センバツを開催すれば、世間の沈滞ムードを払拭するきっかけになるはずだ。

 ご承知のように、高野連は3月4日の時点で、無観客試合で開催する準備を進めていた。ところが、11日の臨時運営委員会では、全会一致で中止を決定。“苦渋の決断”と言う高野連の八田英二会長は、中止の理由を「選手の健康、安全が第一。これを最大限重視」「感染者が出た場合どのような対策をすべきか、100%のものをつくるのは難しいと決断した」と説明している。さらに、大阪や兵庫で感染者が増えていることも考慮したという。

「八田会長は“苦渋の決断”と言っていますが、その根拠を説明して欲しい。大会を中止にした委員会の議事録を公開すべきでしょう」

 と語るのは、猪瀬氏ご本人。

「屋外なんだから問題ないでしょう。しかも無観客。大相撲の春場所は無観客で開催しているし、力士は稽古もしています。プロ野球のオープン戦も同様です。高野連は大阪と兵庫の感染者が増えていることも理由にあげていますが、大阪の場合は、感染源が2カ所のライブハウスだと明確にわかっているし、兵庫は特別、感染者の数が多いわけではない。選手たちは専用のバスで移動するわけだし、中止するなんて納得できませんね」

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