“俺を捕まえていいのか”“大臣を呼ぶぞ!” 「武田良太国家公安委員長」秘書の暴行逮捕

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結納にも同席して

 その男の父親とは、長らく政財界に重きをなす実業家の白川司郎氏。原子力発電関連の警備会社などの経営に携わり、斯界に隠然たる力を持つ大立者である。実際にこれまでも、

〈白川氏やその側近らは、施設用地の買収だけではなく、青森県むつ市に誘致する段階から東京電力に先行して重要な役割を果たしていたという。地元関係者は白川氏らを「東電の影」と呼んだ〉(「朝日新聞」2013年7月16日朝刊)

〈東京電力、ゼネコン、そして警備会社会長の白川司郎氏らの関係は、国税当局の税務調査や検察当局の捜査を取材する過程で、何度か垣間見えたことがある〉(「朝日新聞」同年7月28日朝刊)

 などと報じられてきた。そんな人物の息子が、なぜ武田大臣の“裏の秘書”に収まっているのか。先の自民党関係者は、

「武田大臣は大学を卒業後、亀井(静香)さんの秘書に就きました。また、白川(司郎)さんはかつて三塚(博)さんの秘書だったこともあり、同じ派閥だった亀井さんとも親しくなった。そうした経緯で委員長と白川さんも昵懇になり、白川さんは『(武田大臣を)将来は総理にしたい』と、折に触れて口にしていました。表向き名を出してはいませんが、白川さんは有力な後援者として大臣を支えているのです」

 2人をつないだ形の亀井元運輸相に尋ねると、

「白川は友達だけど、息子のことは知らないな。その子が暴行事件を起こしたって、俺には関係ない話だ。(武田大臣を白川氏に紹介したかは)いちいち過去の関係は覚えてないよ」

 というのだが、先の関係者が続けて、

「資金の集め方を含め、政治家としての基本を亀井さんから叩き込まれた武田大臣は03年に初当選を果たします。その後は党内で力をつけ、16、17年と続けて獲得党員数が1万人を超えるなど、トップの成績を残している。そうした手腕が買われて昨年秋に初入閣を果たすわけですが、それには、白川さんの力添えも大きいと言われています」

 白川氏との間柄を物語るエピソードとして、

「由仁君が数年前に結婚した時のことです。両家の結納が、安倍総理も行きつけの新橋のすし店で交わされました。その時、なぜか親族でもない武田さんも駆け付けたので、新婦側は『国会議員と知り合いなのか』と驚いたといいます」(白川家を知る関係者)

 大事なタニマチの御子息ゆえ「秘書」として受け入れたというわけだ。

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