世界遺産「醍醐寺」で骨肉裁判 チャイナマネーも絡む不動産

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 太閤秀吉が催した一世一代の宴として名高い「醍醐の花見」。その舞台となったのが京都の醍醐寺である。だが、世界遺産の名刹を総本山とする真言宗醍醐派では、そのトップに当たる「管長」父子の間で裁判闘争が勃発。桜満開の季節を迎える前に、骨肉の争いで火花を散らしているのだ。

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 宗教ジャーナリストの小川寛大氏によると、

「京都は訪日外国人に人気の観光地ですが、その恩恵を受けられず、困窮する郊外の寺も少なくない。そうしたなか、醍醐派の寺院が所有する不動産が売りに出されたことで、“醍醐寺も苦しいのか”と地元の仏教界で取り沙汰されています。しかも、売却先は中国系の企業だった、と」

 醍醐寺にほど近いその土地には現在、「一乗院」という建物が存在する。登記を確認したところ、もともと東京・品川の「品川寺(ほんせんじ)」が所有していたこの不動産は、一昨年に中国籍の代表が営む会社に売却されていた。

 品川寺は醍醐派の別格本山で、この寺院の住職を務めていた仲田順和(じゅんな)氏は現在、醍醐派のトップ=管長の座にある。品川寺の檀家のひとりが明かす。

「品川寺の住職は順和管長の長男で、次男が副住職を務めています。実は、いまから3年ほど前に、副住職の元に匿名で資料が届いたそうなんです。その資料によれば、管長と住職が周囲に黙って1億6千万円を借り入れ、品川寺名義で京都の不動産を買っていたという。実際、檀家だけでなく副住職もその事実を知りませんでした」

 告発を受けて副住職はその不動産を購入した経緯について“父親”に質したというが、

「管長は知らぬ存ぜぬという対応だったばかりか、問い詰めた副住職を相手取って調停を起こし、品川寺を去るよう求めました。これが不調に終わると、寺の事務所にカギをかけて副住職を締め出すといった嫌がらせが始まったのです」(同)

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