ドラえもん“土曜引っ越し”の悪影響 映画特番が惨敗でテレビ朝日は真っ青?
謎の急落? 必然の低迷?
2月29日の土曜、テレビ朝日は午後6時56分から、映画「ドラえもん のび太の月面探査記」[八鍬新之介監督・東宝]を特別番組で放送した。お茶の間で親子がテレビを夢中で見る姿が思い浮かぶが、その視聴率は、関係者に衝撃を与えたという。
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テレ朝にとっては、絶対に視聴率が取れる番組だったはずだ。「月面探査記」は昨年3月に公開され、ドラえもんの関連サイトでは「大ヒット作品がテレビ初放送!」と宣伝していた。
それでは、ビデオリサーチの公式サイトに掲載されている「週間高世帯視聴率番組10」を見てみよう。
関東地区の平均視聴率は、何と5・2%だった。テレビ担当の記者が、どれほどの衝撃だったかを解説する(註:以下の視聴率は、全てビデオリサーチ調べ、関東地区)。
「テレビ朝日は毎年、3月の第1週にドラえもんの映画作品を特別番組で放送します。ビデオリサーチの公式サイトは15年まで遡れます。特番の視聴率を列挙すると、15年11・7%、16年11・3%、17年10・9%、18年9・6%、19年8・4%となり、2桁前後で安定していたことが分かります。それが今年、いきなり半減してしまったわけです。映画の評判が悪かったのなら理解できますが、『月面探査記』の興行収入は50・2億円の大ヒット作品です。なぜ視聴率が苦戦したのか、全く理由が分かりません」
一方で民放キー局の関係者は「深刻な“ドラえもん離れ”が起きたと考えて間違いないでしょう」と指摘する。
「ドラえもんの映画版が放送された前週、2月22日の土曜夜の視聴率ですが、午後6時56分からの『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』が8・7%、午後7時54分から『池上彰のニュースそうだったのか!!』が10・6%でした。しっかりと数字を取っていることから、視聴者は『今夜のテレビ朝日はドラえもんの映画だから見ない』と判断したことが推測できます」
更にテレビ朝日にとって頭が痛いのは、他局はしっかりと視聴率を稼いだ事実だ。テレ朝の一人負けと言っても過言ではない。
「まずNHKは午後7時からの『NHKニュース7』が21・3%。そして7時半の『ブラタモリ』が16・5%と好調を維持し、8時15分からの『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』も10・8%と2桁をキープしました」(同・民放関係者)
NHKの好調が印象的だが、視聴率三冠王の日本テレビも2桁をキープした。
「午後7時からの『天才!志村どうぶつ園』は10・5%、7時56分からの『世界一受けたい授業』も10・1%でした。ライバルの残り3局は2時間スペシャル版をぶつけ、いずれも好調でした。視聴率の順に紹介しますと、TBSは午後8時から放送している『ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』を6時55分からの2時間スペシャル版とし、10・3%。テレビ東京も『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』を6時半からオンエアして9・7%。フジテレビは7時から『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』のスペシャル版で、こちらも7・3%になりました」
テレビ朝日を除くテレビ局は、いずれも2桁を超えたか、2桁に手の届く数字になっている。ドラえもんの5・2%という数字が、どれほど衝撃的なものだったか、改めて伝わってくる。
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