未成年の自撮り規制スマホ AIに「下着」「水着」は識別可能?

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 もっと仲良くなりたいからHな写メを送って――。こんな誘い文句に釣られて、事件に巻き込まれる未成年が増加している。我が子や孫が被害者になる前に何ができるのか。

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 警察庁によれば、SNS絡みの事件で被害者になった18歳未満の未成年は、昨年2095人に上り過去最多を記録したという。

 社会部記者によれば、

「深刻なのが、自画撮りによる被害。自分で裸や下着姿の画像を撮って、ネット上で知り合った相手に送る。結果、その画像が知らぬ間に児童ポルノの商品として売買されるケースが増加しているんです。画像がネット上に晒されれば、半永久的に残る恐れもあります」

 格安スマホの「トーンモバイル」が2月20日、未成年の自画撮り規制を目的に人工知能(AI)搭載のスマホを発売した。

 トーンモバイルの広報担当者に聞くと、

「未成年者が下着や裸など肌の露出の多い姿で自画撮りした際、スマホに搭載されたAIが感知して“不適切な内容のため撮影できません”と画面に表示されます。また、撮影した画像は破棄され、データの保存もできません」

 加えて、子供が撮影した場所と日時、モザイクを掛けた画像を親に送信する機能もあるという。トーンモバイルは世界初と謳っているが、下着と水着の違いまで識別できるのか。

「AIはかなり精度が高く、下着姿と水着姿の違いも感知できます。特許申請中の技術を活用しているため、現時点で詳細はお答えできません」(同)

 つまり、賢い仕組みは企業秘密というわけだ。

 AIやネット事情に詳しいジャーナリストの山田敏弘氏の解説では、

「AIの精度を高めるため、データを蓄積させると同時に経験を積ませて学習させます。AIに下着と水着の写真を何万枚も見せ、その違いを理解させるんです」

 とはいえ、人間が見ても下着と勘違いしそうな水着や洋服もあるが、

「判別が付き難い場合は、あえて撮影NGになるよう設定しているはずです。それなら、子供たちからは不満の声が出たとしても、親たちの方は安心ですからね」(同)

 子供の安全を考えて、スマホを持たせない。それができれば一番だが……。

週刊新潮 2020年3月5日号掲載

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