石川さゆりがKREVA、MIYAVIとコラボ! 競演秘話語る

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 大河ドラマ「麒麟がくる」で、明智光秀の母役を見事に演じる歌手の石川さゆり(62)。芝居巧者ぶりは意外な感もあるが、

「歌の世界でいろんな女性を表現してきたことが少しでも活かされるのであれば、という思いでやらせていただいております」

 と謙虚に語るのは、石川ご本人。今月19日にはアルバム「粋~Iki~」をリリースする。

「日本の音楽作品に新たな命を吹き込むため、1988年に童謡を、昨年に民謡をアレンジしたアルバムを出し、今回が3部作の最後。日本人の粋な心意気や生き様を残したくて、30年以上前からラストは『粋』と考えていたんです」

 30年がかりと聞けば、ファンの期待も高まろう。1曲目からラッパーのKREVA(43)、ギタリストのMIYAVI(38)とのコラボと、演歌の枠に捉われない新境地に挑戦している。

「令和の時代に活躍するミュージシャンとコラボすることに意味があると思って。それで、音楽プロデューサーの亀田誠治さんに『ラップでアルバムを始めたい』と私から提案をしました。そしたら、お二人を紹介してくださったんですよ」

 演歌とラップ――。リズムも歴史もかけ離れているように思えるが、

「私はメロディではなく、言葉に想いを乗せて伝えることを大事に歌ってきました。なので、韻を踏みながら日本語の美しさを大事にするラップとは共通点が多いと感じましたし、とても良い経験でした」

 言葉を大事にする者どうしで歌詞も共作したそうだが、まずは令和と江戸を繋げる歴史を知る作業から始めたというのが興味深い。

「今の高速道路は昔、川だった場所にあるんじゃないか、なんて話をKREVAがしたら、猪牙(ちょき)船に乗って男が吉原へ行く様を歌う民謡が昔あってね、なんて話を私がするという具合。彼も歴史に興味を持って、江戸東京博物館に行って学びながら歌詞を共作しました。お互いに刺激を与えながら完成させたんです」

 粋で鯔背(いなせ)な楽曲をご堪能あれ、といったところか。

週刊新潮 2020年2月20日号掲載

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