最大手の探偵会社社長が語る“不倫の現場” 深い傷跡を残した3つの具体例とは

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

怒声と罵り合いの修羅場

「まずは、教師と保護者の不倫ですね。この不倫、結構多いですよ。保護者は子供の面倒を見てくれる先生に好意を抱きやすくなるのです。北関東の名門私立中学で巻き起こった事案ですが、依頼者は35歳の主婦、不倫を疑われた32歳の夫は名門中学の英語教師でした。主婦は『夫が私に内緒で有給休暇を取ったり、会社を早退しているんですが、問い詰めたら、突然、離婚を切り出されてしまって。それからはどんなに質問しても何も答えないんです』とおっしゃる。私は不貞行為に及んでいることを確信しました」

 もっとも岡田社長のもとにいる探偵は、学校の同僚女性教師や女性職員を疑い、聞き込みや張り込みを行ったが、当初怪しい行動はなかったという。

「教師の夫は、生徒の教育に熱心で不倫している様子はなかった。ただ、ひとつだけ妙なことに、週に1、2度、家庭訪問を行っている点が気になりました。月曜日はA君宅、水曜日はBさん宅。翌週は月曜日Cさん宅、木曜日は再びBさん宅。なぜかBさん宅はほぼ毎週、家庭訪問をしていました。放課後、Bさん(女子)はバレーボール部の練習があり、帰宅するのは6時頃。教師は放課後すぐの4時頃に家庭訪問をしていました。早速、弊社の探偵がBさん宅の玄関がよく見える場所で張り込むと、約2時間後、教師と上気したようなBさんの母親が、玄関口に一緒に出てきました。そして、なんと熱い抱擁とキスを交わし、名残惜しそうに別れたのです。相手の母親は女ざかりの38歳。肉感的でセクシーなタイプでした」

 依頼者は証拠の映像を見せられ、不倫を確認。報告書を突き付けられた夫は、すんなり白状した。妻が夫の教え子の母親を訴え、2人の関係は学校側や父兄にも知られることになった。結局、示談が成立したものの、不倫相手の人妻は離婚。教え子のBさんもいたたまれず転校を余儀なくされた。32歳の教師も失業し、離婚。悲劇的な結末を迎えた。

 2つ目は、探偵にとってトラウマになった案件である。

「依頼者は30代の専業主婦で、夫は同年代の公務員でした。『最近、夫が香水の匂いをプンプンさせて帰宅する』ということから浮気を疑い、調査を依頼してきました。担当したのは、20代後半の、入社してまだ半年の新人探偵でした。ドラマのようなかっこいい探偵になりたいと、自らこの世界に飛び込んできたのですが……」

 調査を進めると、夫は女性にはまったく興味を持たないゲイであることが判明した。

「ゲイの夫の愛人(男性)を突き止めようと、ゲイ専門の映画館まで尾行。当然、探偵は暗闇でも撮影できる赤外線カメラを持って、夫に続いて館内に潜入しました。ところが、そこは男同士が束の間の愛を交歓する、いわゆるハッテン場。夫はここで彼と待ち合わせ、隣同士の席で行為に及んだのです。若い探偵は初めて見る男同士の肉欲の世界に、言葉もないほどのショックを受けました」

 さらに、災難が降りかかる。

「音も無く忍び寄ってきた巨漢に、急に股間を触られてしまったのです。巨漢は、探偵の肩に手を回し、無理やりキスを迫ってきた。調査は最後までやり抜くのが弊社のモットーですが、衝撃的すぎて、巨漢の手を振り払い、ほうほうの体で逃げ出したのです。彼は、生まれて初めての体験がトラウマとなり、結局、退職してしまいました」

 最後にご紹介するのは、身内同士の不倫である。

「依頼者は20代後半のフルタイムで働く女性で、夫は20代後半のサラリーマンでした。結婚してまだ2年あまり、子どもは無かったが、夫が夜の営みを求めなくなり、さらにカバンの中にコンドームの箱を忍ばせているのを発見したため、弊社へ調査を依頼してきました。そこで調査を行ったところ、夫は妻の実家に頻繁に出入りしていることが分かりました。しかも夫は、義理の父親がいない昼の時間帯ばかり訪ねていたのです。もしやと思って、妻の実家に数日張り込むと、妻の母親がいそいそと外出。尾行したところ、夫と密会するところをキャッチしました」

 妻の母親は夫より30歳年上の50代後半。しかし、見た目は若く社交的で活発なタイプだったという。

「妻が友人とハワイに旅行中、1人で食事も大変だろうと、気遣いから訪れた義母と、ふとしたことから関係を持ったことがきっかけで、以来、1年に亘り密かに不倫を続けていたようでした」

 この調査結果をもとに、家族全員が集まっての話し合いがもたれたという。

「母親の夫も依頼者も、冷静になろうとしても感情的になり、怒声と罵り合いが続く修羅場と化しました。結局、関係修復不可能となって、2組の夫婦はどちらも離婚。一家離散という最悪の結末を迎えました」

 不倫調査では、8割近くが2、3日で証拠をつかめるという。料金は1時間あたり2~5万円だそうだ。

週刊新潮WEB取材班

2020年2月19日掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。