【新型コロナ】「外でマスク」は意味がない!? SNSに惑わされない命を守る知識

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 かの国の人々が爆買いした影響もあって品薄となり、SNSでは「マスク不要論」も出る始末。巷に溢れる流言に惑わされないために、ウイルスから「命を守る正しい知識」をお届けしたい。

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 外ではマスクをつけ、帰宅したら手をよく洗い、アルコール消毒をする。専門家たちの意見によれば、新型肺炎への対策はこれに尽きる。

 とはいえ、品薄で手に入りづらいマスクについてはネット上で様々な言説が飛び交う。その最たるものが「マスク不要論」だ。確かにアメリカ疾病管理予防センター(CDC)も、家庭用マスクは超微粒子レベルのウイルスを通してしまうとして、その効果に疑問を呈した。

 そうした報道に尾ひれがついてか、SNS等では“所詮マスクでは効果がない”と、爆買いに走る人々を揶揄する呟きが散見される。

「マスクが不要だという人もいるようですが、それは大きな間違いです」

 とは、感染症に詳しい東京農工大の水谷哲也教授だ。

「ウイルスがマスクを通り抜けると指摘する人もいます。けれど、ヒトが感染に至るまでには一定量のウイルスが必要。多少は通り抜けてしまうとしても、体内に入ってくるウイルスの量を抑えることができる上に、気道を保湿できるので、予防のためにマスクはとても重要なのです」

 感染症に詳しい医学博士で元小樽市保健所長の外岡立人氏も、

「新型肺炎は、空気感染ではなく飛沫感染で起こると言われていますから、マスクを外でつけるのはあまり意味がない。よほどの人込みや閉鎖空間など、飛沫がかかる危険性の高い場所でつけるべきです」

 逆に室内の方が人と接する機会が多く、マスクをつけた方が無難という。

 国際医療福祉大学教授(感染症学)の松本哲哉氏によれば、

「密室では、外気に比べてウイルス濃度が高くなり飛沫感染が起こりやすい。換気のできる部屋なら定期的な空気の入れ替えが効果的です。電車に乗る場合は出入り口付近に立ち、他人からの飛沫が直接かからないように、壁側に顔を向けて下さい。マフラーなどで顔を覆うのも、マスクをしないよりはマシですね」

 世にウイルスが蔓延しようとも、今からのちょっとした心掛けで、降りかかるリスクは減らせるのだ。

週刊新潮 2020年2月13日号掲載

特集「官邸が蔓延させた『アベノウイルス』」より

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