【新型コロナ】中国の感染症対策を「素晴らしい」と褒め称えるWHOの思惑

国際 中国

  • ブックマーク

Advertisement

「天皇陛下に謁見」

 なぜこうまでWHOは中国に気を遣うのか。それは事務局長がエチオピア人であることに由来する。

『激突!遠藤vs田原 日中と習近平国賓』の著者で中国問題グローバル研究所の遠藤誉所長が言う。

「エチオピアは中国が進める『一帯一路』における要衝の一つ。たとえば鉄道建設では中国が最大の投資国(85%)です。もはやチャイナ・マネーなしでは国家運営は成り立たない。そのため、テドロス事務局長は習主席と入魂(じっこん)の仲で、エチオピア政府で保健相と外相を務めていたこともあって王毅外相と親しい。3年前のWHO総会で、中国の後押しにより事務局長に就任することができたという恩もあります」

 とっくにWHOのトップは習主席にひれ伏して中国の軍門に降(くだ)っていたワケだ。

 遠藤氏はこうも続ける。

「安倍首相は、新型肺炎で地球上の人類が危機に立たされている状況にあってもなお、4月に習主席を国賓として来日させることに意欲を燃やしています。そうなれば、天皇陛下に謁見することになり、窮地に立つ中国はその映像を全世界にばらまいて失地回復に利用するでしょう。それは結果的に共産党による一党支配体制を延命させることにも繋(つな)がります。これまでの中国政府の行いに対して、まるで日本政府が免罪符を与えたかのような印象を世界中に広めてしまい、コロナウィルスをまき散らした全責任が解消されることにもなりかねない。ですから、習主席を国賓として迎え入れるのは大間違いなのです」

 収束まで少なくとも半年はかかるという予測も出る中、春に習主席が来日となれば大勢の中国人随行団を伴うことになるだろう。国賓となれば晩餐会も開かれて、陛下と握手する機会も増えるのだ。

 まさに今、日本の「自浄能力」が問われているといっても過言ではあるまい。

週刊新潮 2020年2月13日号掲載

特集「官邸が蔓延させた『アベノウイルス』」

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。