河井案里議員、橋本聖子五輪大臣だけじゃない「ウグイス嬢の違法ギャラ」蔓延の実情

国内 政治 週刊新潮 2020年2月6日号掲載

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 河井案里議員を彷彿とさせる「違法ギャラ」の疑惑は、橋本聖子五輪相(55)と前北海道知事の高橋はるみ参院議員(66)にも浮上している。

「こうしたウグイス嬢の報酬を巡る不正は、議員の間に蔓延しているんです」

 と言うのは、さるベテラン秘書である。

「正直、1万5千円ではまともなウグイス嬢は雇えないというのが常識です」

 公選法にこの額が定められたのは28年前の話。それから社会情勢は大きく変わっているのになぜかこの金額は据え置かれたままだ。

 それに加えて、

「都市部ならまだましですが、地方では人が減り、ウグイス嬢の成り手が少なくなっています。いきおい、優秀なウグイス嬢は奪い合いとなる。万一、対立陣営に奪われてしまっては選挙の結果も左右しかねない、となれば、違法と知りつつ、日当の積み増しを考えるのも不思議なことではない」(同)

 ウグイス嬢もピンキリだ。ただの「お手振り」役しか務められない者から、ベテランになってくると、有権者の心を掴むアナウンスも自由自在。自分で応援の原稿を作ったり、事務所の運営も手伝える、秘書顔負けの者もいるとか。これまで250人ほどの選挙を手伝い、9割の勝率を収めてきた“伝説のウグイス嬢”もいる。こうした出来の良いウグイス嬢を振り向かせる手っ取り早い方法の一つが、札束で頬を引っぱたくこと、というワケだ。

「まともにやっていると素人みたいな嬢しか集まらない。で、3万払うと経験者、5万なら司会業などをやっている相当のプロ、場合によっては、10万と積み上げて雇う。こうした相場は半ば“公然の秘密”となっています」(同)

 もちろんこれは法令違反。で、各陣営はこの差額部分をどう処理するか、知恵を絞るという。

 ベテランの選挙プランナーが言う。

「よくあるのは、法定分は正規で支払い、残りは領収書なしの現金で、というやり方です。あるいは、1万5千円分は正規で支払い、残り分を自らの政治団体から別の名目で支払う。これはまさに河井夫妻が取った手法ですね。派遣業者に募集を頼んでいる場合などは、ウグイス嬢には正規の日当を支払い、残りは業者に“企画料”といった名目で支払うという方法もあります」

 こうした偽装は選挙の度に行われている。だから、

「多くの陣営が、河井夫妻の捜査に“明日は我が身”とビクビクしているはず。正直に言えば、バレるかバレないかは議員の人徳に左右されます。パワハラ体質の議員なら、秘書が恨みを持って告発してしまう。要は事実より“日頃の行い”の問題なのです」(同)

「法律と実態がかけ離れているということですよ」

 と言葉を継ぐのは、秘書経験もある、政治評論家の有馬晴海氏。

「規定と運用のかみ合わせがもはや限界に来ている。この規定は再考の余地があると思います」

 法律を相場に合うよう改正する必要がありそうだが、そうは言っても有馬氏は、立法府に属する国会議員が法律を守るのは当然のこと、とも指摘する。無論、違反があれば、いかなる理由があっても許されることではない。

特集「『橋本聖子五輪大臣』と『高橋はるみ議員』が“共犯関係”となった『疑惑のウグイス嬢』」より