王貞治氏「16球団構想」を実現させる方法、王さんが観客席を眺めながら口にした疑問は?

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CS改革は大きな動機!?

 1月11日、福岡ソフトバンクホークスの王貞治会長(79)は地元テレビ局・テレビ西日本の情報番組に出演。番組の中で「あと4つの球団が誕生してほしい」と16球団構想を語ると、全国ニュースとしても大きく報道された。

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 SNSなどでは現在も、野球ファンを中心に侃侃諤諤の議論が続いている。改めて王会長の発言内容を確認しておこう。大きく分けて2点となる。

【1】チームは多いほどいい。プロ野球の選手も、大学や高校の野球部員も、子供たちにとっても、受け皿があったほうが絶対にいい。

【2】16球団になれば、クライマックスシリーズ(CS)の問題点が改善される。

 プロ野球ファンなら、2点目は賛成する人も多いと思われる。現行制度では、セ・リーグもパ・リーグもシーズン第3位のチーム同士で日本シリーズが戦われ、日本一のチームが決まる可能性がある。レギュラーシーズンで1位になる意味が全くない、という問題を抱えている。

 ソフトバンクは、2017年こそパ・リーグを制し、更に日本シリーズで横浜DeNAベイスターズを下して日本一に輝いた。だが、18年と19年は共に埼玉西武ライオンズがパ・リーグを制し、ソフトバンクは2年とも2位に終わった。だがCSで西武を下し、18年は広島東洋カープ、19年は読売ジャイアンツを破って日本一に輝いた。こうした結果も、王会長の発言に影響を与えたのかもしれない。

 東大野球部で投手として活躍、1992年にドラフト8位指名で千葉ロッテマリーンズに入団した小林至氏(52)は、2005年から14年まで福岡ソフトバンクホークスの取締役を務め、王会長や当時の秋山幸二監督(57)を補佐した。

 小林氏がチーム担当の取締役を務めていた期間、チームはリーグ優勝3回、日本一2回と素晴らしい成績を収めた。王会長のいわば“女房役”を務めた小林氏に、今回の発言の真意について聞いた。

「CSが“ちゃぶ台返し”だという批判については的を射ており、球界全体が『毒饅頭を食べてしまった』と後悔している部分もないわけではない。しかし、CSの人気は非常に高いので今さら止められないんですね。ならば改善するしかない。これまでの12球団による2リーグ制ではなく、16球団に増やして、各4球団による4リーグ制でシーズンを戦えば、4つのリーグの優勝球団と、例えば、それ以外から勝率の高い順に2~4球団をワイルドカードで選出することで、MLBに近い形になり、すっきりするでしょう」

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