武漢から帰国の日本人2人が当初ウイルス検査を拒否 傍若無人な行動に出た理由を探る

国内 社会 2020年2月1日掲載

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説得する職員を動画で撮影

「ウイルス検査とは、要するにDNA検査です。検査に必要な“検体”を採取する方法として、厚生労働省は『喉の奥を綿棒で拭き取る』ことを推奨しています。さらに代替の選択肢として血液、痰、尿などを列挙していますが、喉の奥を綿棒で拭う方法が最も正確な検査が可能です。チャーター便で帰国された方々も、相当数が綿棒で採取されたと思います。激しい苦痛を与えるようなことはなく、インフルエンザの検査で鼻腔を棒で拭うくらいの痛みしかありません」(同・医療関係者)

 テレビ朝日などは2人が拒否する理由として「自分には症状がない」、「日本に帰国したのだから家に帰りたい」と訴えたと報道した。

 さらに日本テレビなども、職員が「ご自身のためにも検査を受けるべき」などと説得しようとすると、怒りだして動画を撮影し始めた、などと放送した。

 当然ながらSNSでは怒りの投稿であふれたわけだが、「家に帰りたい」のが本音だったのではないかと見る向きもある。何が何でも帰宅するため、検査を拒否したという推測だ。

「NHKの報道によれば、ウイルス検査の結果が出るまでの措置として、自宅に帰るための条件として2つが提示されたそうです。いずれも帰宅後は外出を控えることを前提とし、1つ目は『東京や、その近郊に住む人は、政府がバスで自宅近くの駅まで送迎する』、2つ目は『家族や勤務先の関係者が運転する車で迎えにきた場合は、どこにも立ち寄らず自宅まで送迎する』です。この2つが無理だという場合は、千葉県勝浦市のホテルに移動し、待機することになりました」(前出・取材記者)

 ただし、前出の朝日新聞によると、チャーター機の乗客206人から入院者や検査拒否者などを除き、ホテルに泊まった者は191人に達したという。要するに大多数は自宅に帰らなかった、もしくは帰れなかったのだ。

「ひょっとすると検査を拒否した2人は、どうしても自宅に帰りたかったのかもしれません。しかし都内にも、その近郊にも自宅がなく、家族や勤務先の関係者などが車で迎えに来てくれることもなかった。そのため、検査を拒否して自宅に帰るという強硬手段に出たという可能性はあると思います」(同)

 ところが1月30日、厚労省は「検査を拒否した2人が、『検査を受けたい』と」申し出てきた」ことを明らかにした。

 世論も振り回されてしまった格好だが、このような混乱を再発させないためにも法整備が必要、という声も強い。だが、ある政府関係者は「その必要はない」と否定する。

「『たとえコロナウイルスが指定伝染病とされても、発症していない人には手の打ちようがない』という報道もあるようですが、これは事実とは異なります。政府は2月7日としていた指定感染病とする政令を、2月1日に前倒しました。指定伝染病となれば、たとえチャーター便の乗客が検査を拒否しても、ある種の強制力を伴った検査が可能になる。なので、それ以上の法整備は必要ありません」

 ならば、もっと早くに指定伝染病としておけばよかったのではないか、という疑問を持つ方もいるだろう。しかし厚労省は「ウイルスの拡大や感染状況を注視した結果、適切なタイミングで指定伝染病とした」と判断しているという。

週刊新潮WEB取材班

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