雌ライオンと呼ばれたゴーン夫人「キャロル」 略奪愛の履歴書

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成功者に弱い

 彼女はほどなく、NYの上流社会に入る。

「世界有数の資産を持つ金融グループである『シティグループ』に勤める男性と結婚するのです。そして2男1女をもうけ、理由と時期は定かではありませんが、おそらく2000年代になって別れた。そして09年、レバノン製のドレスをメインに扱うファッションブランドを立ち上げ、実業家デビューしたのです」

 だが、このブランドは数年で閉鎖。3人の子どもを抱えてどう過ごしていたのか。そのあたりを、リベラシオン紙はこう記している。

〈キャロルは、成功者に弱い。“彼女はカルロスのような野心的な女性です”〉

 ゴーンのレバノン時代の同窓生、エリー・ガリオス氏の証言だ。このガリオス氏の妻ファビエンヌさんがキャロルのいとこだった。彼の証言をまとめると、おおむね以下のようになる。

 離婚したキャロルは、NYで行われたパーティーでゴーンに会った。千人もの参加者のなかに、当時の妻リタさんを連れたゴーンがいたという。そこでキャロルはゴーンに近づき、挨拶をするとこう言った。「私はファビエンヌのいとこです。あなたのことが知りたいです」――。

 このときのゴーンはすでに世界的経営者として名を馳せていた。1男3女もいる。そんな男が妻を同伴した場所で、“いとこ人脈”一点を糸口に、「あなたのことが知りたいです」と直球勝負。

 雌ライオンが獲物を捕らえた瞬間だ。まさに、略奪愛である。ともあれ、これをゴーンが受け入れて二人の関係がはじまり、16年、ヴェルサイユ宮殿での挙式に至ったのだ。

 ゴーン夫妻は相変わらず日本への攻撃を続けている。すべての取材に同行し、八面六臂のご活躍で状況を下支えしているのはキャロル夫人。略奪愛の彼女のタフさは、まさに獅子奮迅、雌ライオンのそれなのである。

週刊新潮 2020年1月30日号掲載

特集「血の滴る赤ワインで祝杯! 『雌ライオン』と呼ばれた『ゴーン夫人』略奪愛の履歴書」より

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