小泉進次郎の育休宣言に疑問の声 政治家として、まずは育休を取りやすい世の中を…

国内 政治

  • ブックマーク

Advertisement

 1月17日、小泉進次郎・環境大臣(38)と滝川クリステル(42)の長男が誕生した。わが子の誕生にあわせ、小泉環境大臣は3カ月で2週間分の「育休」を表明。重要な公務には出席し、丸々一日の休みもあれば時短勤務となる時もあるとしているが、資産面ほかでサポートは万全の環境ながらとる“夫の育休”に、党内外から批判の声が上がっている――。

 ***

「僕は育休には反対ではないですけどね」

 と述べるのは、『課長 島耕作』などで知られる漫画家の弘兼憲史氏。

「進次郎は男性が育休をとる手本になろうとしているのでしょう。ただ、彼は普通のサラリーマンとは違って、税金で食べている代議士でしょ。しかも、大臣という、国の重大事に関わる役目を担っている。また、彼にはお金も周りのサポートもあるでしょうから、彼が育児にべったりでないといけないというわけではない。まさか何か一大事が起こった時に、“育休中だから休みます”とは言わないでしょうからね」

 次いで、出産、子育てを経験した女性の立場から、

「彼が育休を取る必要はまったくありませんよ」

 と言うのは、評論家の金美齢氏。

「小泉さんは有権者から負託された大きな期待を背負い、なおかつたくさんの税金を使う職務に就いている。そのような責任に見合うべき仕事と努力をしないといけないわけです。また、世の中には育休を取らないと本当に子育てができない父親がいる。でも、彼らが小泉さんと同じように休みが取れるかと思ったら大間違い。小泉さんがやるべきことは、大臣、政治家としての仕事に専念し、そうした課題に取り組むことなのに、そこに思いがいかないのでしょうか」

 深谷隆司・元通産大臣は、純一郎・元総理と当選同期の間柄。その大先輩も言う。

「少子化が深刻な問題となっている今の時代、男性も育児を担当するのは大切なことですし、認めるべきだと思います。しかし、政治家、特に大臣の場合は、この限りにあらず、というのが私の正直な思いです。政治家は“先憂後楽”を旨としなければなりません。国会議員は、国民のために働くのが仕事。常に国民に先立って国を心配し、国民が楽しんだ後に自分が楽しむという心構えを持たなくてはならない。ましてや大臣ですから、家事を忘れて国家のために人生を捧げるのが本来の姿です。小泉さんが休暇を取るのは理屈としてはわかりますが、果たして手放しで喜んでいいことなのでしょうか。まずは育休が取得しやすくなる世の中を作るべきで、一般の人々と並んで育休を取りましょうというのは、ちょっと違うんじゃないかな」

週刊新潮 2020年1月30日号掲載

特集「大荒れ『カジノ国会』のプレイヤーとジョーカー」より

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。