今年はどうなるヤマダの子会社「大塚家具」 黒字化まであと一歩どころか最悪の年明け

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生殺与奪の権はヤマダにある

 デイリー新潮は「大塚家具、メーンバンクに見捨てられ年内がヤマ? 久美子社長はそれでも余裕」(昨年9月30日配信)と報じた。ヤマダ電機傘下となっても、今年がヤマということになってしまうのだろうか。

「さすがに、子会社が倒産するのを黙って見ているようなことはしないでしょう。まずは今年1月の水準がどの程度いくかが重要視されます。昨年1月も前年比79・2%とひどかったので、これを下回るようならお話にならない。そして、大塚家具は決算期を4月に変更しましたが、昨年12月までの12カ月分の数字は2月頭に出すことになっています。昨年9月末までの第3四半期はおよそ30億円の赤字でしたが、ほぼ間違いなく赤字は膨らんでいるでしょう。もし赤字が40億円、50億円となっていたら、ヤマダにとっても相当な重荷となるはずです。当然、ヤマダでも、大塚家具を次の会計期間まで久美子社長に任せていいものか、という声は出てくるでしょう。それに子会社上場というのは、親会社にとっては望ましい状況でもない。抜本的改革を打ちやすくするためにも、既存株主から株を買い取るなどして100%子会社化して上場廃止するということも考えられます」(同・関係者)

 完全子会社化となれば、久美子社長の居場所はなくなる、ということだろうか。

「今後も経営が上向かず、ドラスティックな改革が必要となったときには、久美子社長のいる場所はなくなるでしょうね。株式の過半数を持つヤマダ電機は、生殺与奪の権を持っているわけですから」(同・関係者)

 久美子社長の挑戦は続いている。1月25日、大塚家具は新たな店舗を東京・青山に出店する。その名も「ROLF BENZ TOKYO」だ。あれ、大塚の名がない……。

「ドイツを代表する高級家具ブランド“ロルフベンツ”の世界初となるフラッグシップショップとリリースにはあります。ですからまあ、その店名もありでしょう。かつてブラック企業のイメージ脱却から、様々な店名に変更して業績を回復した居酒屋チェーンがありましたが、大塚家具も新規顧客も来なければ、既存顧客も遠のいている状況です。大塚の名を外すことは、新たな取り組み方の1つかもしれません」(同・関係者)

 時間はそれほど残っていない。

週刊新潮WEB取材班

2020年1月21日掲載

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