今年はどうなるヤマダの子会社「大塚家具」 黒字化まであと一歩どころか最悪の年明け

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わずか1年の延命

「12月12日ヤマダ電機との資本提携を発表した会見で、久美子社長は『黒字化まであと一歩というところまで来ることができた』と言っていました。翌日の株価は292円(前日比80円高)のストップ高となった大塚株ですが、その後の株価はジリジリと下がっています。そして12月30日をもって、大塚家具の株式の過半数を握ったヤマダ電機の子会社となった。昨年末の終値は231円。ヤマダ電機とは昨年2月に業務提携を結んでおり、1年近くが経っても業績へのポジティブ・インパクトがいまだに見えてきません。その上で資本提携したところで、どういうスキームを組むのか、何も示されていないことが、市場に影響していると思います。久美子社長は、ヤマダと組むことで“縦割りにしてきたこれまでの売り場をワンストップで買える場所に変える”と会見で言っていた。ヤマダ電機や大塚家具で、家電も家具も買えるようにするというわけです。例えば、大塚家具が仕入れたものをヤマダ電機に売り、ヤマダがお客さんに販売するとしたら、当然、大塚家具はヤマダに高値で売ることはできないので、利益率は下がるでしょう。いずれにしても、現在持っている大塚家具の店舗を抜本的に建て直さない限り、大幅な業績の回復には繋がらないと思いますね」(同・関係者)

 そもそも家電と家具を同じ店で買いたい、というお客がどれほどいるのかも不明だ。

「家電を買いたいという人は、最初からヤマダ電機へ行くでしょう。家電量販店がなぜ家電に特化して大きくなってきたか、棲み分けが進んだことにも理由があったわけです。そのほうが安く仕入れられるし、お客にとってもメリットがあった。それを“縦割り”と称して、家具も一緒に売るのがお客さんのため、と言っていたのは大きな疑問です」(同・関係者)

 それでも大塚家具は、ヤマダ電機からは43億円もの資金、さらに有価証券の売却益3億400万円も加わり、枯渇しかけたキャッシュも潤沢になっている。

「ざっくり50億円の水準と見ていいでしょう。しかし、およそ8億円は長期借入金の返済に充てられるわけです。そしてこれまで通りの経営だとすると、月に4~5億円が減っていくことに変わりはない。となれば、1年延命できる程度でしかありません」(同・関係者)

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