韓国出身の金慶珠さんが最後の晩餐に食べたいものは「そばか寿司」! 美味しいNIPPON

ライフ 食・暮らし

  • ブックマーク

Advertisement

 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第21回は、金慶珠(キムキョンジュ)さん。今回は「吟八(ぎんぱち)亭 やざ和」に伺いました!!

 最後の晩餐に何が食べたい? そう聞かれて、どんな料理を思い浮かべるだろうか。

「私はそばか寿司ですね」

 と意外な答えを返すのは、韓国出身のコメンテーターで東海大教授の金慶珠さん。

「シンプルな味のものが好きで。そばは素材の味を生かすために、余分なものをそぎ落として作る、究極のミニマリズムの料理だと思うんです」

 葛飾区亀有にある「吟八亭 やざ和」は、自家製粉・手打ちスタイルのお店で、ミシュランのビブグルマンにも選ばれた名店。千葉・柏の有名店「竹やぶ」で修業を積んだ店主の矢澤登志和さんが作るそばに金さんは恋に落ちたそう。

「自家製にしん」や「だし巻き卵」を肴に辛口の日本酒をちびちびやっていると、矢澤さんが看板メニューの「田舎せいろ」を運んできた。独特の粘りを持つそばで、つゆは8日間かけて作られたこだわりの逸品。

「ん~! そばの食感と香りがいいですね。それに器も味があって素敵です」

 なんでも、金さんは大の和食器好き。今までにつぎ込んだ額は数百万円だとか。

「和食って味もさることながら、季節感を演出する飾りつけが本当に素晴らしいです。世界中の人に受け入れられるのは当然ですね。韓国の笑い話に、『中華料理は種類で食べる、日本料理は飾りで食べる、韓国料理は量で食べる』なんてのがありますが、本当にその通り(笑)」

 そう話す金さんは今年、日韓関係のこじれで、TVでコメントを求められることがとても多かった。

「私にとってTVの出演はコロッセウムに立つ剣闘士のようなもの。きばりながら試行錯誤しながらなんとかやってきました。そんな中で思うのは、理屈とか正論だけでは視聴者の心は動かないってことですね。このお店のように、大将の温かい人柄や真心が出ないと人を感動させられないんですよ!」

 美味しい食事とお酒で、ほろりと本音が出た夜でした。

週刊新潮 2019年12月26日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。