数字で見る大塚家具、企業価値は4年で6分の1に… 久美子社長のスゴイ経営手腕

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市場は久美子社長を歓迎した

 奇遇と言うべきか、当然なのか、半減させたのは従業員数にも当てはまる(註・2019年の従業員数は中期に報道されたもの、そのほかは未発表)。

「従業員は15年までは安定しており、大塚家具は大体1750人程度でした。しかし、16年に1662人、17年には1489人、昨年は1264人にまで減っています。そして今年は、6月の中間期の報道では約1080人でした。昨年末から6月までにおよそ180人、つまり1日1人が辞めていった計算になる。このままですと年末には900人前後となる計算です。従業員も半数にしてしまったわけです。そして従業員の平均年齢は上がっています。やはり若い人のほうが再就職もしやすいですからね。かわいそうなのが残った社員で、年収も減っているようです。店舗の売り場面積も従業員数に比例するように減っています」(同・関係者)

 となれば、当然、株価にも影響が出る。各年の最高値、最安値は以下の通り(註・2019年は暫定)。

「やはり彼女が社長に復帰した15年がピークで、ここを境に落ちに転じます。15年の最高値2488円は3月3日で、取締役会で彼女の社長への返り咲きが決まった直後でした。当時の市場は、これほど彼女の復帰を歓迎していたわけです。株が下がり始めるのは16年の夏頃からでしょう。この頃はセールで\935(クミコ)価格などを打ち出していたわけですが、業績が悪化し、2度目の下方修正をしたときに株価が1000円を切るようになりました。“失望売り”とも、“株価までクミコになった”とも言われたものです。ただ今にして思えば、1000円を切ったぐらいでザワついた頃はまだよかった。以後は坂を転げ落ちるように、今年の最安値は10月の156円です。12月にヤマダ電機への身売りが発表され、2日連続ストップ高にもなりましたが、現在は232円(12月20日)です」(同・関係者)

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