数字で見る大塚家具、企業価値は4年で6分の1に… 久美子社長のスゴイ経営手腕

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300億円の企業価値が46億円に

 企業の価値を計ると言われる時価総額で見てみよう。株価は12月末の終値で算出している(註・2019年の数値は、身売り発表前日[12月11日]の終値162円。2020年の総発行数は、ヤマダ電機が実施する第三者割当増資[3000万株]などを含む最大値とした)。

「上場会社の社長の評価として、任期中に時価総額がどれくらい上がったかというのが、1つの評価指数となります。大塚家具の場合、勝久会長の下での久美子社長時代は200億円を下回る程度でした。ピークはやはり15年で、当時は300億円ぐらいの価値があったということになります。現在はヤマダ電機傘下となったことで、やや上がって60億円程度になっていますが、身売りが発表される直前の時価総額は46億円程度。つまり、彼女は大塚家具という会社の価値を250億円ほど下げたことになるわけです」(同・関係者)

 大塚家具の株は長年、1940万株で安定していた。しかし今年に入ってから中国のハイラインズに第三者割当増資を行うなどして2840万株に増えた。そして12月のヤマダ電機との提携により、同社が大塚の51%(およそ3000万株)を購入することになった。そのため、総発行数は年末までに、6746万株に倍増する。

「本業が鳴かず飛ばずで、株を発行することがあたかも本業のようになっている会社のことを、ネットでは“株券印刷会社”などと揶揄しています。そういう意味では、大塚家具も株券印刷会社のようですね。それにしても、彼女は既存の株主をどう考えているのでしょうか。持ち株の保有割合や議決権割合も希薄化していっているわけです。泣いている方もいると思いますけどね」(同・関係者)

 それでも久美子社長は社長を続投すると宣言している。

「これらの数字を見ても、彼女が社長として残る論拠となるものは見当たりません。それでも彼女は『やり遂げる』と言っています。売上が落ち続けた理由は、マスコミの報道による“ブランドイメージの毀損”と言い続けていますが、株価を見てもそれには当たらないことがわかります。むしろブランドを毀損したのは彼女自身としか考えられませんが」(同・関係者)

週刊新潮WEB取材班

2019年12月24日掲載

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