桃田賢斗も翻弄される「バドミントン協会」内紛ラリー 虚偽報酬? 告訴も検討

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詐欺罪

 元理事はこう続ける。

「追及するのは270万円の報酬だけではありません。私たちは何年も前から、協会を私物化してきた関根、銭谷体制を問題視しています。2人は人事を壟断している。関根会長などは協会のカネで資産運用を試みて失敗したのに、一緒に運用を手がけた幹部に責任を負わせて辞めさせたんです」

 専務理事も、代表コーチなどに自らの子飼いを重用しているといい、

「銭谷専務理事は、16年に発覚した田児賢一選手や桃田選手などの賭博問題への対応を担当した人物でもあります。でも、なんの対処もしませんでした。彼らがギャンブル依存症だったのかどうかすら調べずに、所属先の企業に対策を丸投げしただけでした」(同)

 桃田選手からすれば、自分に復活の目を残してくれた幹部が槍玉に挙がっているとは驚きだろう。いまは東北地方の県の協会でトップをつとめる元理事は、

「銭谷の件を協会に質すと、“当時は強化本部長だったので、理事としてではなく本部長としての報酬”と言う。しかし過去に報酬をとっていた本部長などいないし、そもそも、当時は専任の強化本部長職はなかった。明らかに関根、銭谷間で示し合わせたものです」

 と、語気を強める。

「私たちは内部文書を得た昨年来、文科省やスポーツ庁、JOCに悪事を告発し、協会には、関根、銭谷両氏の退任要求を出しました。協会からは、綿貫名誉会長名で警告書が返ってきた。そこには、“銭谷専務理事への報酬はあなた方も承知していたはず”とあったんです。見え透いた嘘に、詐欺罪での告訴も検討しています」

 この件を協会に訊ねると、

「当該官庁からは、調査の結果、問題なしの判断に至ったと報告をいただいております。一部に不協和音があるとすれば、遺憾です」

 ただし、ラリーはいまも続く。今月、協会関係者が作成したばかりの文書には、〈背任罪、業務上横領罪にあたる事案〉と、協会への“最後通牒”が入っている。

週刊新潮 2019年12月19日号掲載

ワイド特集「バベルの塔」より

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