伊藤詩織さん訴訟 裁判所にバッサリ切り捨てられた「山口敬之」記者の供述を検証

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ベッドについての不合理な変遷

 判決は、特に性行為に及んだベッドに関する山口記者の主張の変遷について、「不合理」と指弾している。山口記者は行為後に詩織さんに送ったメールで、「私の寝ていたベッドに(詩織さんが)入ってきました。あなたのような素敵な女性が半裸で……」と綴り、彼女のほうから彼が寝ていたベッドに入ってきて誘惑したと説明していた。

 にもかかわらず、山口記者は法廷において「(詩織さんに誘われ、自分が寝ていた)窓側のベッドから詩織さんの寝ている入口側のベッドに移動した」と証言し、メールの内容と異なる説明をした。この点について、判決は「被告の供述は、本件行為の直接の原因となった直近の原告の言動という核心部分について不合理に変遷しており、その信用性には重大な疑念があるといわざるをえない」とばっさり山口記者を切り捨てた。

 山口記者は判決後の記者会見で控訴を宣言したが、その場で、判決が彼の矛盾点を論(あげつら)った点について問われると、「何を言っているかわからない。もう一度、質問を」「証拠は閲覧して質問したのか」など、質問者の記者に逆切れ。動揺を隠しきれない様子だった。更に、「性犯罪を受けたと連絡をして来られた方がいて会ったことがある」として、「その方は、“伊藤さんが本当のことを言っていない。例えばこういう記者会見で笑ったり上を見たりテレビに出演してあのような表情をすることは絶対ない”と証言してくださった」と話し、詩織さんはウソをついていると一貫して主張するのだった。

週刊新潮WEB取材班

2019年12月19日掲載

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