自民ダメ、野党もダメ まともな第三極が必要(KAZUYA)

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 日本には政権を任せることが出来るような、まともな野党がありません。

 いや、そんな野党があればとっくに安倍政権は倒れていることでしょう。実際の野党はと言えば、桜を見る会の追及に勤しむあまり、内閣府までシュレッダーを視察に行くという有様です。千枚の用紙を約40秒で細断出来るというナカバヤシ社のシュレッダーの高性能っぷりを確認したに過ぎず、ネットでは桜を見る会に対抗して「シュレッダーを見る会」と揶揄されています。

 そんなもの型番聞いてメーカーに問い合わせたらいい話で、ネットでは「こいつらならシュレッダーを証人喚問しかねない」と馬鹿にされています。前日はアポ無しで内閣府に突撃して門前払いされているのも笑ってしまいます。一方で、野党は報道陣を同行させようとし、内閣府は同行を許しませんでしたが、単なるパフォーマンスでしかありません。

 情報をまともに出さない安倍政権に問題があるのですが、こんなことをいくら突いたところで「野党には政権担当能力があるな」と有権者は考えないでしょう。

 桜を見る会の追及は結構ですが、野党にはより広い視点で政権に問い質して頂きたい。

 例えば中国の人権問題です。ニューヨーク・タイムズが中国の400ページ超の内部文書を入手したとしてスクープを発表しました。これは中国政府が新疆ウイグル自治区で、イスラム教徒のウイグル族の人々を強制的に収容していることを示すものです。

 2014年に習近平国家主席が現地の職員に「容赦なく取り締まれ」と命じたとする演説の原稿も含まれています。

 自由な日本社会では考えられないことですが、中国は共産党独裁国家なので、人権と法を無視した措置が度々取られます。ウイグルでは散々指摘されているように100万人超とも言われる人々を不当に収容しているのです。

 中国はフェイクニュースだと憤りますが、それなら国際社会にその証拠を開示してもらいたいものです。イギリス政府は11月25日、新疆ウイグル自治区に国連監視団が「即時かつ無制限にアクセス」できるよう、中国政府に求めました。当然外交上の思惑はあるでしょうが、腰抜けの日本政府とはエライ違いです。

 中国の人権問題で言えば、アメリカでは11月27日、香港人権法案にトランプ大統領が署名、成立しています。一国二制度が機能しているか、米政府に検証などを求める内容です。デモが続く香港では区議選で民主派が圧勝するなど、風向きが変わりつつあります。

 日本も自由で民主的な国家として、しっかり中国に言うべきでしょう。しかし日本は来春に中国の習近平国家主席を国賓として招くために準備を進めています。事なかれ主義にしてもひどすぎます。野党にはこうした人権無視国家の首領を国賓として招いていいのかと追及して欲しいところです。しかしそれもあの連中では難しいでしょう。

 自民もダメ、野党はもっとダメ……まともな第三極が必要です。

KAZUYA
1988年生まれ、北海道出身。12年、YouTubeで「KAZUYA Channel」を開設し、政治や安全保障に関する話題をほぼ毎日投稿。チャンネル登録者69万人、総視聴数は1億4千万回を超える。近著に『日本人が知っておくべき「日本国憲法」の話』(KKベストセラーズ)

週刊新潮 2019年12月12日号掲載

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