桜を見る会「反社」騒ぎ、発端は怪文書 「当事者」とされた暴力団総長が真相を語る

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 いつまでも国会で取り上げるような問題でないことは明らかだが、それがネタの宝庫であるのは間違いない。安倍総理の後援会が催した前夜祭から、「反社出席疑惑」に問題の焦点が移った「桜を見る会騒動」。渦中の暴力団総長が実名で明かすコトの真相とは――。

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反社騒ぎの「桜を見る会」渦中の「暴力団総長」が実名証言(1/2)

「今、安倍総理の『桜を見る会』に反社会的勢力が来ていたのではないか、という話で私のことも取り沙汰されているようです。沖縄の地元紙である琉球新報の記者さんからも“会いたい”と連絡がありました」

 困惑ぎみにそう語るのは、沖縄県の指定暴力団「旭琉會」傘下、2代目功揚一家の狩俣重三総長(57)である。

「しかし、正直に申し上げて、私は『桜を見る会』には全く関与しておりません。出席したことだって一度もない。普段、公共の場にも中々足を踏み入れられない立場の我々ですが、こういう時になると、私には何の断りもなしに私の写真が、インターネットのあちこちに出回って、結果的に政治家の足の引っ張り合いに利用される。見苦しいなと思い、事実をお話ししようと考えたのです」

 会に出席してもいない狩俣総長が、なぜか騒動に巻き込まれてしまったわけだ。一方、会に「暴力団に準ずる組織の首魁」と警察が見ている人物が出席していたのは事実。とすると、これはもはやブラックジョークと言うほかないだろう。何しろ、桜を見る会に招待されるのは〈各界で功績があった人や功労者など〉とされている。各界には「ヤクザ業界」まで含まれていたのである。

 もっとも、2000年代前半、8500人前後だった「桜を見る会」の参加者は、第2次安倍政権下で一気に増加。14年度は約1万3700人で、今年度は約1万8200人にまで膨れ上がっている。そして、参加者が増えれば“招かれざる客”が紛れ込むのは当然の成り行きだ。

 ここでコトの経緯をざっとおさらいしておきたい。

「(反社会的勢力とみられる)グループのメンバーの一人が菅長官と写真を撮って、(写真が)ネットに出ている」

 立憲民主党の杉尾秀哉議員が参院内閣委員会でそう迫ったのは11月21日。対する菅義偉官房長官は、

「ご指摘の人物は面識はない」

 と述べ、26日の記者会見ではこう話した。

「(反社会的勢力とみられる男性がいたとの)指摘を受けたことは事実。結果的に入られたんだろうと思う」

 問題の情報の出どころはネットだけではなく、

「杉尾さんが質問する1週間以上前、永田町の衆参両院の議員会館に『怪文書』が投函されたのです。その内容はネットに出ているものとほぼ同じです」(全国紙政治部デスク)

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