中国で邦人9人がスパイ罪で拘束中、解放された北大教授が語る「共産党のやり口」

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「予測できない」

 来春に北京大学から招聘を受けている鈴木氏は、まだ返事を保留している。

「何が理由で拘束されるか分からないのでは、私も心配です。専門家なら、情報収集のために現地と繋がっていたいと思うのが自然で、ならば共産党を刺激しかねない論文を書くのは控えようとする動きも出てくる。そうやって、共産党は国外の研究者をもコントロールしようとしているのです」

 当の岩谷教授は、書面を通じて、帰国後初めてその胸の内を明かしてくれた。

「現時点で拘束中の方がいらっしゃることもあり、私の発言がどのような影響を与えるのか予測できないため、コメントについてはご容赦頂ければ幸いです」

 もの言えば唇寒し、という風潮が生み出されつつある。そんな彼らのやり口に、香港では若者たちが戦っているのはご存じの通り。同地でも書店主が中国本土へ拉致されたり、香港大学の民主化運動を監視するスパイが送り込まれていたことが判明している。我が国もこのまま習主席を国賓として迎えていいのか。

 中国問題グローバル研究所所長の遠藤誉氏が言う。

「北大教授を早期に解放したのは、習近平を招待した安倍総理が批判を受けるのを避けるためではないでしょうか。米中貿易戦争で日本にすり寄ろうとする目的が明確な今、多額の税金でもてなす国賓として招くとは、何事かと思いますね」

 まずは拘束された邦人全員を解放するのが筋だろう。

週刊新潮 2019年12月5日号掲載

ワイド特集「魔の最終コーナー」より

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