Googleは意地でも記事使用料を払いたくない! GAFA対メディア「著作権」をめぐる攻防

ビジネス 週刊新潮 2019年11月28日号掲載

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メディアに記事使用料という「フェイスブック」の思惑(2/2)

 10月25日、フェイスブック(FB)の最高経営責任者、マーク・ザッカーバーグ氏が「すべてのプラットフォーマーはニュースに資金を提供し、協力関係をつくる責任がある」と発言。メディアに記事使用料を支払うと表明したわけだが、著作権を無視し、悪貨で良貨を駆逐してきたGAFAが悔い改める機会になるか。

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 ヨーロッパでは、プラットフォーマーの自主性を待つのではなく、法規制により巨大IT企業の横暴から著作権を守ろう、という動きが生じている。

 元朝日新聞記者で桜美林大学教授の平和博氏が説明する。

「EU全体としてプラットフォーマーに規制をかけていく流れで、今年3月にはEUの“著作権指令”が改正されて、新たに“リンク税”と“コンテンツフィルター”の規定が盛り込まれました。前者は、グーグルのようなニュースを収集して配信する事業者から、報道メディアが対価を得られる権利を定めたもの。後者は、ユーチューブのような共有サイトにおける、著作権侵害コンテンツの排除と、著作権者への適切な報酬について規定したもの。加盟各国は2021年6月7日までに、国内法を整備し、施行させることになります」

 EUが動き出したのは、その前段があってのことだ。IT業界専門記者が言う。

「ドイツでは13年、検索結果として記事の抜粋が表示された場合、記事の使用料を課すことができる、という内容の著作権法改正を行いました。ところが、グーグルは記事の抜粋を非表示にして対抗。メディア側は、グーグルの検索結果に対する表示拒否で対抗したものの、アクセス数の激減に耐えられず、2週間で表示拒否を取り下げました。スペインでも14年10月、著作権法が改正され、ニュース記事を掲載するプラットフォーマーに対し、メディア側が使用料を請求でき、従わなければ最高60万ユーロ(約7200万円)の罰金を科すことになりました。ところがグーグルは法が施行される直前の14年12月、スペイン版グーグルニュースの閉鎖を表明。メディアへのアクセス数が減少するという結果を招きました」

 著作権へのリスペクトのかけらもないことに驚かされるが、そんなグーグルが、世界を支配せんばかりなのだから恐ろしい。EUとして対抗すべきは当然だが、

「著作権の新指令に真っ先に応じて法改正を行ったフランスに対し、グーグルは9月、著作権使用料を支払わないと表明。無料掲載が認められなければ検索結果の画面に記事の抜粋や写真を掲載しない、と発表しました。これにはマクロン大統領も怒りを表明し、直接対決の様相です」

 各国が足並みを揃えなければ、強欲なGAFAの横暴の下、われわれはフェイクニュースの波に溺れてしまいかねない。ようやく日本も、EUのような規制の動きに呼応しはじめ、

「昨年、経産省や公正取引委員会が、デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会を始動。政府も内閣官房にデジタル市場競争本部を設置し、来年の通常国会に『デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案』を提出する準備を進めています」

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