Googleは意地でも記事使用料を払いたくない! GAFA対メディア「著作権」をめぐる攻防

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タダより高いものはない

 こうした動きに対しては日本新聞協会も先月末、「歓迎する」という見解を表明している。著作権料への言及がないなどEUにくらべれば遅れているが、著作権という知的財産が尊重されなければ、我々はガラクタに囲まれて暮らすことになるのだから、早急な対応が必要なのは当然だ。評論家の唐沢俊一氏が言う。

「“スカートの丈が短くなっていく時期に、パリ中のデザイナーが長くしようとしてもできない”とは、SF作家ハインラインの『大当たりの年』の一節で、私たちが直面する事態をズバリ言い表しています。書籍や雑誌、新聞はFBやツイッターにとって代わられ、情報はどんどん短く過激になっています。SNSで拡散されるのはメシやかわいいペットの写真で、政治ニュースは極論ばかり。ハインラインは別の著作で“フリーランチはない”と言っています。多くの人はタダがいいと思っていて、FBが無料なんだから牛丼も無料にしろ、と言いだしかねない勢いですが、無料の牛丼なんて、なにが入っているかわからない。同様に、無料で手に入る情報なんて、たかが知れている。その意味でも、プラットフォーマーがメディアにお金を払うのは、至極当然です」

「フリーランチはない」とは、日本でいえば「タダより高いものはない」。GAFAの横暴を食い止めるためには、世界中でその意識を共有するしかあるまい。

週刊新潮 2019年11月28日号掲載

特集「強欲『GAFA』は悔い改めるか メディアに記事使用料という『フェイスブック』の思惑」より

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