同窓会不倫の相手は「結婚しなければ、いい男」、お互いの家族では満たせない「心の穴」を埋め合える関係

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 許されないとわかっていながら、人はなぜ不倫してしまうのか。不倫している当事者たちの声から、恋愛指南の著書多数の二村ヒトシがひもといていく連載「良い不倫 悪い不倫」第2回。水谷舞衣さん(仮名・37歳)は、秋山聡さん(仮名・37歳)とダブル不倫中だ。なぜ、あえて彼を選んだのだろうか。お互いでなければ埋め合えない、2人の深い「心の穴」とは。

 第1回「自衛官を辞めて専業主夫になった夫とは『もう無理…』そして彼女は不倫にハマった」はこちら→https://www.dailyshincho.jp/article/2019/11191100/
 
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家族がいる店の奥の居間で……

二村:ちょっと時間をさかのぼって、いま不倫してる方と出会った頃の話を聞かせてもらえますか。お相手の聡さんは、若い頃はどんな男子だったんだろう。

舞衣さん:もともとは中学の同級生だったんです。クラスではいつも女の子たちと絡んでふざけてるような、ちょっとやんちゃな感じの男子でしたね。シングルマザーの一人息子で、家はお母さんとおばあちゃん2人で、商店街で小さな理容室をやっていました。

二村:お母さんとおばあちゃんに愛されて育ったんでしょうね。女性に対して物怖じしないタイプでしょ。

舞衣さん:当時の私は割と地味で真面目なタイプでしたから、遠くから眺めていた感じですね。なのに高校に入ったら彼が私に告白してきたんです。えっ、私たち住む世界が全然違うのに! と、最初は戸惑いました。

二村:で、いざやってみたら、そんなに気持ちよくはなかったっていう……。

舞衣さん:そうなんです。彼の家に遊びに行った時、お店ではお母さんもおばあちゃんも働いてるのに、その奥の居間で急に迫られました。でも、やんちゃなわりに向こうも童貞だったらしくて、やり方もよくわからず。初体験は正直、思ってたのとはだいぶ違ったなって感じでしたね。

二村:それで、いつまで付き合いました?

舞衣さん:高校を卒業したら別れちゃいましたね。付き合ってる間は何度も「将来は結婚しよう」って言われたけど、彼の憧れてる夫婦像というのがとんでもなかったんです。「僕が家に帰ったら、三つ指ついて『お帰りなさいませ』って出迎えてくれる奥さんがいいな」とか。この人と結婚したら人生終わる、って思いました。

二村:舞衣さんは社会に出て働きたかったんですね。

舞衣さん:専業主婦は絶対にイヤでしたから。まあ今思えば、彼は母子家庭で育ったので、リアルな夫像や父親像が希薄だったんでしょうね。付き合っていた頃から父親の話題には一度も触れたことがなかったし、時々「男なんか大嫌い」とか「男なんてみんなクズだ」と吐き捨てるように言うこともあったので。その彼の気持ちも今ならちょっとわかるけど、当時は全くわからなかった。

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