銀座「久兵衛」寿司が食えなくなる日 危ないネタは9品目

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 政財界の大物も通う東京・銀座「久兵衛」。軍艦巻きを発明したとの説もある、この超高級店で寿司を食べられなくなる日が来るかもしれないという。

〈寿司が消える日〉。久兵衛とタイアップしてこんな刺激的なタイトルをHPに掲載したのは、バイオベンチャー企業のユーグレナだ。

 経済誌のデスクによれば、

「2005年設立のユーグレナは、ミドリムシを利用した食品や燃料事業が注目され、12年に東証マザーズに上場しています」

 ユーグレナのHPを見ると、9品のネタが食べられなくなる理由を明記し、ご丁寧に久兵衛での最後の予約日を設定している。

 例えば、さけといくらの最終予約日は2049年12月17日。その理由は、

〈地球温暖化により海水温度が上昇して分布域が北に追いやられ、21世紀末には日本周辺への回遊が困難になることが予測される〉

 この企画を監修したのは東京大学大気海洋研究所の伊藤進一教授だ。伊藤教授によれば、

「しゃこは、41年11月30日が最後の予約日。地球温暖化による大雨で、海水は低塩分になる。幼生のシャコは低塩分の海水環境に弱く、東京湾外への流出もあり減少が予想されます」

 企画の目的をユーグレナ経営戦略部に聞くと、

「今年、子供たちを対象に温暖化による海水温度上昇の問題をテーマにセミナーを開催しました。もっと多くの人々に関心を持っていただくため、身近で人気の寿司を題材にこのキャンペーンを9月22日から始めています」

 久兵衛を“相棒”に選んだのはなぜか。

「回転寿司も候補に挙がりましたが、養殖物を使用している店が多い。そこで誰もが知る有名店で、江戸前をネタにしている久兵衛さんにお願いしました。キャンペーンは10月31日まで。ツイッターで誰でも応募でき、最後の予約日まで使用できる久兵衛の食事券が、9組18人に当ります」(同)

 超高級店に行けないだけならまだしも、寿司が食べられなくなるのは一大事。冗談で済まない深刻な問題なのだ。

週刊新潮 2019年10月31日号掲載

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