東京五輪マラソン、札幌移転ならメダル遠のく? 怒りの小池都知事に勝算は

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300億円が無駄に

 驚いたのは選手たちだけではなかった。

「東京は一番最後に知らされたんじゃないか。まさに青天の霹靂だ」

 IOCの発表の翌日に、都内での連合東京定期大会でそう語ったのは東京都の小池百合子知事。

「涼しいところでというのなら、『北方領土でやったらどうか』くらいなことを連合から声を上げていただいたらと思う」

 都政担当記者によると、

「小池知事は失言の少ないほうなので、北方領土発言については驚きました。それだけ衝撃が大きかったということでしょう。東京都が約300億円もかけた道路の熱反射を抑える舗装工事も無駄になってしまう。知事としては強い怒りを表明するほかなかったと思われます」

 ここで一点、注意が必要なのは、「札幌開催」はまだ「正式決定」ではない、ということ。新聞各紙を眺めているともう決まったような書きっぷりだが、実際には、今月30日から11月1日まで東京で行われるIOC調整委員会で、IOCが大会組織委員会や東京都などと議論した上で「正式決定」となる。つまり、外堀は埋められたものの小池知事にはまだ“戦う”余地が残されているわけで、実際、18日の定例会見ではこう述べている。

「東京で(開催したい)という気持ちは変わらない」

 とはいえ、それが小池知事にとって極めて分の悪い“戦い”になることは間違いない。

週刊新潮 2019年10月31日号掲載

特集「『小池百合子』が村八分にされた『東京五輪マラソン』札幌移転の裏に『カジノ』」より

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