ピーター・フランクルが日本で見つけた飲食店 美味しいNIPPON

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 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第12回は、ピーター・フランクルさん。今回は「ANTIVINO」に伺いました!!

 数学者で大道芸人のピーター・フランクルさん。自分の人生において、イタリアは特別な存在だと話す。1953年、ハンガリーに生まれたピーターさんは、幼少期、ほぼ毎週映画館に通っていた。

「イタリアの映画はよく上映されていて、特に『女の香り』などコメディタッチの明るいものが好きでした」

 当時のハンガリーは社会主義政権だったので、そうした映画やイタリア語のラジオ、たまにやってくるイタリア人観光客から、西側の明るさを感じた。

「彼らの言葉を聞くだけで生きる力とか喜びを感じたんです。中学生の時には、仲間と一緒にルネサンスに関しての研究発表を行いました。ルネサンス期の絵画を見たり、小説を読み込んだり、衣装を作ったりする中で、イタリアがまた好きになったんです」

 それゆえ、イタリア料理を前にすると当時の楽しい思い出が蘇るそう。今回訪れた「ANTIVINO」は、渋谷にあるイタリアンの名店だが、96年の開店時から通っている。

「特に季節を感じる料理が美味しいんです。僕の個人事務所が近いこともあって、友人や仕事関係の方と来ます。今回みたいに一人で来ることはほとんどないですよ(笑)。一人ならラーメンとかそばで手軽に済ませちゃいます」

 コースメニューは季節の食材を盛り込んだものが供される。今回はキノコやヒラスズキなど旬の食材を使ったコースを注文。

「キノコも好きだし、モッツアレラも好物なんです。ヒラスズキも昔ルアーで釣ったことがあるけど、ただ焼いただけで(笑)。この調理法だとさっぱりしながらも香ばしくて良いですね」

 そう話すピーターさんは、パスタを食べながらデザートメニューをチラチラ。

「フランスで研究者として勤めていた際、両親と一緒にローマやナポリを旅行したことがあるんですが、毎晩母親とジェラートを食べていたくらい甘いものが好きでね」

 前菜からパスタ、メインとボリュームのあるコースをぺろりと平らげ、デザートを楽しむピーターさん。満足げな顔が美味しさを物語っています!

週刊新潮 2019年10月24日号掲載

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