チュート徳井 3年で1億2000万円の申告漏れ、本当の年収はいくらなのか?

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重加算税で取り引きも

 徳井はチューリップ社から給料をもらっているわけである。その会社の収入は3年で1億2000万円という。それでは計算が合わない。ならば、税理士に聞いてみた。

「今回報じられている、3年でおよそ1億円とか1億2000万円という金額は、あくまでもチューリップ社の利益であって、経費は除いた額です。売上としてはもっとあっておかしくない。さらに徳井さんが社長の会社ですから、当然、役員報酬もあるはず。その報酬はいくらにしたっていいわけですし、具体的な金額は表に出ていません。3年で1億2000万円という数字をもって、年収4000万円というのはあまり意味がありません。そもそも、無申告で重加算税というのは聞いたことがありませんし……」

 どういうことなのか。

「税務調査というのは基本的には5年しか遡りません。何か悪事を働いている人に対しては7年遡るのです。徳井さんは今回、7年分やられているわけです。当局とすれば、悪質性があるという認識なんだと思います。さらに重加算税がかけられていますが、これも悪事を働いていると判断された時に課されることが多い。具体的には仮装隠蔽と言いますが、売上があったのに隠蔽している、といった人に課せられるものなんです。ただし、これは意図してやるもの。徳井さんのように、面倒くさかったとか、忘れた、忙しかったということなら、隠蔽の意思がないわけですから、仮装隠蔽にはなりません。となると、重加算税が課せられるのは、2000万円分の経費ということになる。彼は『芸能人だから、洋服代や旅行代も経費になると思っていた』と釈明しています。そうなると、経費に対して、国税と徳井さんの見解が異なることになります。見解の相違で重加算税というのも基本的にはありません。隠したわけでもなく、正々堂々、経費として出しているわけですから、彼は戦うことだって可能です。ですから、このケースで重加算税というのは厳しいと思いました。すでに重加算税、追徴課税も支払い済みとのことなので、おそらく国税に抵抗せず、言いなりになることで、スムーズに終わらせたかったのでしょう。結局、マスコミに報じられてしまいましたが……」

 国税は、悪質なケースとみているようだ。

「ネットでも、随分悪人のように書き込んでいる人もいるようですが、お金が儲かったら会社を作るというのは当たり前のことですし、違法でも何でもない。そもそも申告する気がなかったら、法人など作りませんからね。彼の『面倒くさかった』という言い訳に対しても、信じられないというコメントを見受けますが、そういう人は意外と多いんです」

 また、税務調査官は重加算税を取りたがる傾向があるという。

「『“重加”取らせてくれるんだったら、トータルの税額安くてもいいよ』といってくる税務調査官も少なからずいます」

 どういうこと?

「一種の司法取り引きみたいなものです。彼らにとっては重加のほうが価値があるんです。足軽の首3つ取るより、大将の首ひとつ、持って来いというようなもので、彼らだってサラリーマンには変わりはない。重加を取る方が内部で評価される。場合によれば、重加をつけない方が、国が取れる税金が多いということだってあるんです。徳井さんには、7年前まで遡れたし、重加も取れるということで、手心を加えた可能性もあります」

 “手心”を加えるとは?

「私のお客さんの実体験ですと、重加を取らなかったとしたら、課税漏れ金額が3000万円、そのまま国庫に納めれば1500万円の方がいました。それを重加取らせる代わりに、課税漏れ金額を200万円にしてもらったことがあります。これだと国が取れる金額はトータルで50万円ほどになる。現場ではそういうことも起こり得るんです。ですから、徳井さんの3年で1億とか、1億2000万円という金額が、果たして本当の課税額だったのかという疑問も残ります。もっと貰っていておかしくないのですから」

 ということは、前出のプロデューサーの言う通り、徳井の年収は1億5000万円~2億円というのも、当たらずとも遠からずか。

週刊新潮WEB取材班

2019年10月25日掲載

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