体操ニッポンの救世主・橋本大輝18歳が越えねばならない「内村航平」という壁

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 ドイツで行われた体操の世界選手権男子団体総合で日本が銅メダルを獲得した。ご存じリオ五輪で3大会ぶりの金メダルに輝いた種目。残念な結果にも思えるが、

「リオ五輪組がいなくなり、今の日本は凋落の一途。とてもメダルなど覚束ないと見られていました。それが何とか表彰台に踏み止まったのですから上出来です」

 と、日本体操協会関係者が語る。

「もっとも、金のロシア、銀の中国には大きく水をあけられている。東京五輪は、金銀はどだい無理で、良くて今回同様の銅ですね」

 そんななか、予選で出場4種目全てでチームトップの得点を挙げ牽引役を果たしたのが、まだ高校生という橋本大輝(だいき)(18)。“体操ニッポンの救世主”とにわかに注目を集めている。はたして彼は、東京五輪でも活躍できるのだろうか。

 実は、体操団体は今大会を含め5人で争われてきたが、東京五輪から4人に減る。その枠を争うレースは、

「今大会決勝でただ1人全種目に出場した萱(かや)和磨(22)がエース的存在。これに、負傷を抱えて出場していた谷川航(わたる)(23)、谷川翔(かける)(20)の兄弟が続き、第1グループを形成している。橋本は、内村航平(30)らリオ組と共に第2グループで4枠目を争っています」

 内村? たしか2017年世界体操で負傷して以来、国内外の大会で精彩を欠いているはず。事実、8月末に行われた全日本シニアでも、あん馬や鉄棒でミスを重ねて5位に終わり、本人も“話にならない”と不満を漏らした。失礼ながら、もはや“オワコン”なのでは?

「いや、あのときの失敗は彼らしく完璧を求めすぎた結果。傷は治癒していて、コンディションも上がっている。全盛期には及ばずとも、復活は目前ですよ」

 橋本にとって、越えねばならない大きな壁である。

週刊新潮 2019年10月24日号掲載

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