皇室カレンダーに大異変! 掲載順に見え隠れする元宮内庁長官「思い」の先走り

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“二重権威”

 別の記者も首を傾げる。

「発行元の菊葉文化協会は、いわば宮内庁職員の天下り先です。上皇ご夫妻が天皇皇后に在位された時代に仕えていた職員が大半なので、“上皇陛下がご健在なうちに掲載順を後にするのはどうか”という情が絡んだ可能性はあると思う。ただ、そのせいでカレンダーが“二重権威”状態になってしまっているわけです」

 現在、この協会の代表理事を務めるのは、元宮内庁長官の羽毛田信吾氏。

 長官時代に、皇太子ご一家(当時)が両陛下を訪問なさる回数が少ない、と苦言を呈した人物だ。また、上皇陛下のご意向を受け、当時の野田政権に「女性宮家創設」を進言するなど、上皇陛下の“側近中の側近”とされる。となれば、カレンダーにその「思い」が込められていても不思議はあるまい。

 協会側は「皇室御一家にふさわしく、季節にあったお写真を、掲載順を含めて選定している」と回答。

 そこで、羽毛田氏ご本人に見解を伺うと、

「掲載順にルールはないし、ご指摘のようなことは全く意識していません。極めて事務的に決めています」

 二重権威に繋がりかねないとの指摘については、

「それこそ為にする議論だと思いますよ。カレンダーでそんな話になるなんて、“ややっ、なんで?”という感じがしますね」

 と仰る。だが、皇室ジャーナリストの神田秀一氏は、

「カレンダーの掲載順といえども、二重権威を誘発しかねないと捉えられるのは当然でしょう」

 と懸念を示すのだ。

「羽毛田元長官は皇位継承問題に際して、現在の上皇陛下と共に悩み抜いた方で、結びつきも強かった。現役の宮内庁職員にすれば羽毛田さんの強い思いが、カレンダーの掲載順に滲み出たと感じるはずです。上皇陛下は新たな天皇を中心に据えることを重視され、ご自身は目立ったご発言や行動を控えられている。それなのに二重権威が指摘されれば、上皇陛下のご意思にも反してしまいます」

 陛下のお気持ちより、側近の思いが先走ったようだ。

週刊新潮 2019年10月17日号掲載

ワイド特集「三千世界は謎だらけ! 新聞テレビでは分からない『秋の十大椿事』」より

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