「刑事ドラマ」は絶好調でもテレ朝がそんなに喜べない理由 キーワードは「リーチ力」

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 秋ドラマが順次始まり、各局が新たな視聴率競争に突入した。

 ただしドラマがどれだけ多くの人に届いているか、いわゆる「リーチ力」で比べると、視聴率とは別の風景が見えてくる。夏クールのドラマで、どう異なるのかを見てみよう。

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TBS3ドラマのリーチ力

 はじめに、ドラマ1話の3分の1以上を視聴し、かつシリーズの中で3話以上見た割合を「接触率」と定義しよう。

 図1は、TBSの『Heaven?~ご苦楽レストラン~』『凪のお暇』『ノーサイド・ゲーム』と、3ドラマの接触率の関係を示した図だ。関東地区でモニター4523人の情報消費行動を調べるインテージ社i-SSPを使って算出した。

 すると『Heaven?』の接触率は13%、『凪のお暇』は13%、『ノーサイド・ゲーム』は15%となる。平均視聴率12・0%だった『ノーサイド・ゲーム』は、接触率でも一番高かった。より多様な人が見たドラマだったと言える。

 では3本とも接触した人は、どれくらいいたのか。

 3つの円すべての重なり部分で、3%となった。3ドラマとも見るという、かなりのドラマ好きと言えよう。

 さらに3ドラマのうち、他2つは見なかったが1つだけ見たという人はどうだろう。

『Heaven?』で4%、『凪のお暇』で5%、『ノーサイド・ゲーム』で7%。

 どうやら『ノーサイド・ゲーム』は、視聴率・接触率が高いだけでなく、他のドラマはさておき、これだけは見たいというコアなファンが多いドラマだったようだ。

 ちなみにこの3つのTBSドラマは、どれだけ多くの人に届いているか。図1の重複部分を減算した、トータルリーチ力として見ると27%となった。つまり、テレビ視聴者の3割近くが、TBSのいずれかのドラマを視聴した格好だ。

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