オスマン・サンコンが日本で見つけた飲食店 美味しいNIPPON

ライフ 食・暮らし

  • ブックマーク

Advertisement

 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第10回は、オスマン・サンコンさん。今回は「龜屋(かめや) 一睡亭(いっすいてい)」に伺いました!!

「僕はね、うなぎに山椒を沢山かけるんですよ。さんしょはグーってね。アハハ!」

「やだ、もう古いって(笑)」

 のっけからダジャレを飛ばすハイテンションなサンコンさんと、それを諫める夫人で歌手の北山みつきさん。

 2人がやってきたのは上野の不忍池の畔にある創業70年を超す老舗うなぎ店「龜屋 一睡亭」だ。

 お店の看板であるうなぎは、焼津産の「共水(きょうすい)うなぎ」を使用。同店では半世紀近くこのうなぎを使っており、

「養殖でありながら、大井川の伏流水でしっかり運動して育ったうなぎは、身が引き締まっている。脂もしつこくなく天然ものに匹敵する質の良さです」(龜屋主人の荒川治さん)

 またお米も北魚沼産のコシヒカリだけを使い、季節感ある器を使うなどこだわりを持つ。

「うなぎはギニアでも食べるけど、煮るだけで日本のように蒸したりしない。来日してから、日本のうなぎ食べて、全然違うって感動してね! その中でも龜屋さんのは日本一だよ」

(サンコンさん)

 大好物となったうなぎを食べに、暇を見つけてはこのお店に通っているんだそう。なにより、

「このお店のビルの4階が僕らにとって大事な場所でね。そこで僕が彼女に惚れたんですよ」

 北山さんが話を引き継ぐ。

「4階はライブスペースで、月に数度出演していたんです。サンちゃんが来たときに、私はフランス語で『愛の賛歌』を歌ったんです」

 ギニアの公用語、フランス語で歌われた懐かしい歌に、サンコンさんは思わず涙を流した。これをきっかけに2人の仲は親密になり、2018年の婚約に至った。

「もう懐かしい話だね。この後、そのライブスペースに行ってみる?」(同)

「そうだね。行こう行こう! その前に焼酎の麦の水割り頼んでいい? 僕、しょっちゅう焼酎飲みたいんだよ。アハハ!」

週刊新潮 2019年10月10日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。