天皇皇后両陛下、お召し列車でお手振りなしに「上皇に比べてドライ過ぎる」との声も

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比べるのは早すぎる

 両陛下にとって“令和の試練”ともいえるのが、事あるごとに上皇ご夫妻と比較されてしまうという状況であろう。何しろ、宮内庁関係者によれば、

「平成の時代、新幹線での行幸啓では上皇さまも駅弁を召し上がったことがありました。そもそも速度が速く、お手振りが無理だったこともありますが、在来線の車中で食事を召し上がったのは記憶にありません」

 とのことで、

「上皇ご夫妻は、つねに国民とともにありたいという強いご意思のもと、お手振りを自らの使命と捉え、車内でお立ちになったまま続けてこられました。その場で側近たちが『お体に障りますので』などと、うかつに進言できない雰囲気があったのです」(同)

 その上で、こう指摘するのだ。

「異例ともいえる車内でのご昼食は、皇后陛下のご体調に配慮したシフトといえます。かつて上皇ご夫妻は三大行幸啓などの際、基本的には2泊3日のご日程で臨まれていました。一方で御代替わり以降、両陛下の宿泊を伴うご公務は、すべて1泊2日です。22日に『即位礼正殿の儀』を控える御身にご無理は禁物で、極力、皇后陛下にご負担のかからないスケジュールを組んでいるのです。ただしその分、1日ごとの行程はタイトになる。到着後の昼食の時間も削らざるを得ず、今回はやむなくこのような形になったといえます」

 即位の礼を終えると、11月14日から翌日にかけて大嘗祭が執り行われ、雅子皇后の参列も検討されている。その前、9日には皇居外苑などで「御即位をお祝いする国民祭典」が催され、嵐の歌などが披露される。

「2009年11月の即位20年の祭典では、上皇ご夫妻は二重橋に立たれ、提灯を手にEXILEの踊りを観覧なさいました。何しろ寒い季節でもあり、宮内庁は雅子さまのご体調を見極めつつ、お出ましを慎重に検討しています。そうした中、今回の思いもよらぬお手振りへの“異議申し立て”がお耳に入り、今後のご体調に障らなければいいのですが……」(前出記者)

 皇室ジャーナリストの神田秀一氏は、

「そもそもお召し列車は“見世物”ではありません」

 そう前置きしながら、

「両陛下はご即位からまだ半年も経っておらず、高御座(たかみくら)にも御帳台(みちょうだい)にも上がられていません。その両陛下を、30年にわたりご公務をつとめ上げられた上皇ご夫妻と比べるのは筋違いだと思います。皇嗣家が抱える問題も、両陛下にとってはご心労の種に違いありません。いまは温かく見守り、上皇ご夫妻と比べるのであれば両陛下が『令和流』を築いてからにすべきでしょう」

 冒頭の2月の会見で、陛下はこうも述べられていた。

〈その時代時代で新しい風が吹くように、皇室の在り方もその時代時代によって変わってくるものと思います。(中略)それぞれの時代に応じて求められる皇室の在り方を追い求めていきたいと思います〉

 令和の「風」は、いかがなるであろうか。

週刊新潮 2019年10月10日号掲載

特集「ネットで物議! 『平成流お召し列車』と比較される『天皇陛下』『雅子皇后』の当惑」より

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